渋谷・イメージフォーラムで公開中。
ただ、時間があまり観に行きやすくない。
12:10とレイトショー。
以下はメモ代わりにツイッターに投稿したものを貼りつけたので、まとまった文章にいなっていません。
「寡黙にして雄弁な東京国際映画祭の上映作品群」として、「メルボルン」「遺灰の顔」「コーン・アイランド」「
ナバット」までブログに書いて、この度一般公開の報があった「
草原の実験」と「ボーダレス ぼく
の船
の国境線」(「ゼロ地帯
の子どもたち」)のレビューは書いていないままだった。おお。
今年(2014)
の映画12:ロシア「メトロ42」「ガガーリン」「
草原の実験」ソ連「石の上の花」
イラン「夜行バス」「ゼロ地帯
の子どもたち」ポルトガル「家族の灯り」フィンランド「白夜のタンゴ」ポーランド「裏面」ハンガリー「悪童日記」アゼルバイジャン「ナバット」スペイン「ジプシー・フラメンコ」
今回
の東京国際映画祭で観たのは台詞が極端に少ない作品ばかり。「
草原の実験」は台詞一切無し、「コーン・アイランド」「
ナバット」「ゼロ地帯の子どもたち」も寡黙。が、作品の語る力は大きい。
友人たちに強く推していた映画「草原の実験」、観た友人からの便りがあり、久しぶりにいい映画を観た、音楽担当のアレクセイ・アイギが「あの大詩人アイギの息子」であることに驚き、芸術の才能が引き継がれた、と大変喜んでもらえた。で、私ももう一回観に行った。たまらなく美しい作品なのだった。
二回目観た「草原の実験」、美少女エレーナ・アンの描き方とか、ある意味男性のファンタジー要素が強くて、皆普段どういう暮らしをしているのか謎ばかりの不思議な映画。ほんとに美しい風景と音なのだが。
女性監督が撮ったら、保存食作りするシーンとかありそうだけど、そういうの一切なし。意外と生活感薄い。
「草原の実験」は台詞がないので、最初に観た時は意識しなかったが、エンディングのクレジットには役名が書かれていた。ヒロインДинаジーナ(プログラムでは“ジーマ”と大々的に書かれていたけど…)、お相手 Максимマクシム,父Толгатトルガト, 幼馴染Кайсынカイスィン 。
ジーマだとドミトリー略称で男の子みたい。実を言うと、マクシムもクレジットだとМаксだった気がする。あれ、ロシア人のようで伝統的なロシア人ぽくない(最近のサッカー選手には多いが)、収容所惑星みたいって思った。
映画「草原の実験」出演のダニーラ・ラッソマヒンくん、次回作はベスプラルィ監督作品「レールモントフ」のグレボフのようだ。РУТИ-ГИТИСという演劇大学を2014年に出て、今はチェロヴェク(人間)劇場。
http://www.chelovek-theatre.ru/actor.php?page=drassomahin
http://www.film.ru/articles/zavtra-byla-bomba
映画「草原の実験」出演のダニーラ・ラッソマヒンくんの出演映画はこれまで3本。“...за имя Мое”(2005)(短編)、“Кухня ”(2012年)(コメディー)、1992年12月29日モスクワ生まれ。軽業系は得意みたいだ。
https://www.youtube.com/watch?v=VPeaFrz0Sqo
「草原の実験」「トルパン」「三人兄弟」のカザフ3本に、「ウルガ」あたりを挙げておこうか。モンゴルでもいっぱいありそうだなー。
「草原の実験」のアレクサンドル・コット監督の前作は「ブレスト要塞大攻防戦」で、普通に戦争映画やスタンダードな文芸ものを撮っていた彼が、何だか突然覚醒したって印象。でもロシア国内の評を見ると、ロシアの人たちにとっては中央アジアの草原の話より大祖国戦争での戦闘の方が身近なのか高評価。
ロシアでは総じて「ブレスト」>「草原の実験」みたいだ、という趣旨です。ヒロインの魅力に感じ入るのも、ラストに「衝撃」を受けるのも、ある意味日本ならではなのかもしれない。ロシアやアメリカ、中国といった大国をはじめ世界中の人々に感じてほしいが。
映画の舞台となったのはカザフの草原(最初観た時はセミパラチンスクとかを想起しつつも、作品としては地名や時代を特定せず、”どこともしれない、いつともしれない”感を出している~その方が”今、ここ”との繋がりを示せるかも…と思ったけれど、二回目に観るとラジオから流れるのはロシア語のニュースだし、イズベスチヤ読んでいるし、お出かけにトランクに入れるのはマヤコフスキーだし、旧ソ連中央アジアをばっちり描いていたわ)だが、
実際の撮影はクリミア半島のフェオドシヤで行われたとのこと。意外だった。