2012年1月15日日曜日

◇ЛЕКЦИЯ(講演会情報) ロシアの至宝/スペインに行きたい

桑野塾第11回 あの頃のスペイン/ロシアの至宝
1/21(土)1500-1800 早稲田大学早稲田キャンパス16号館820号室


①ソ連・コミンテルンとスペイン内戦
 モスクワを中心としたソ連とコミンテルンのスペイン内戦介入政策の全体像(島田顕)

②異形のロシア・ソビエトアニメ(井上徹)

★母が働いていた劇団の御大は、30年代当時ほんとうにスペインに行かなければと日々考えていたそうです。結局日本にいてやるべきことを見つけて精進したのですが。そんなスペイン内戦とそれへの介入政策とは何だったのか?

★ユーラシアサロンや早稲田大学演劇映像学連拠点シンポジウムと被ってしまっています。どれを選ぶか迷うところ。

(敬称略)

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)イオセリアーニ旧作上映

「汽車はふたたび故郷へ」公開記念
オタール・イオセリアーニ映画祭2012
2/4(土)~2/10(金) オーディトリウム渋谷
★最新作「汽車はふたたび故郷へ」«Шантрапа»2/18から公開されるのに合わせての旧作7本の上映。しかし、一番の傑作である「落葉」«Листопад»の上映なし。残念だ。フランスに渡ってからのものよりグルジア時代の作品の方が100倍好き。
「汽車はふたたび故郷へ」«Шантрапа»については昨年1118日に書きました。


「四月」«Апрель»1962年ソ連2000年復元版
★台詞なしの素敵な小品(46分)。天才はデビュー作から天才なのだ。
「歌うつぐみがおりました」«Жил певчий дрозд»1970年ソ連
★この作品の主人公ギアは後の「月曜日に乾杯!」「ここに幸あり」のヴァンサンの原型。
「蝶取り」«Охота на бабочек»1992年フランス・ドイツ・イタリア
★ここに現れる日本人はかなり変(自転車に乗っている姿は中国人か!なのですが)。ラストの漢字には絶句。日本はバブル真っただ中、世界中のお城を買いまくっていたのです。完全に昔話。
「群盗、第七章」«Разбойники, глава VII»1996年フランス・スイス・イタリア・ロシア
★俳優が一人数役演じるのがパラジャーノフの「ざくろの色」とかモスクワのフォメンコ工房の劇みたい。内容はこてこてグルジアなので、歴史の予習をして臨もう。
「素敵な歌と舟はゆく」«Истина в вине»1999年フランス・スイス・イタリア
★この作品からお孫さん登場。
「月曜日に乾杯!」«Утро понедельника»2002年フランス・イタリア
★イタリア万歳!とはいえ、リフレッシュ休暇が終われば労働者は再び仕事に向かうのであった。
「ここに幸あり」«Сады осенью»2006年フランス・イタリア・ロシア
★イオセリアーニってロシア嫌いを口走っている割にロシア資本入りの映画を作っている。エイゼンシュテイン嫌いと言いながら講義では「ポチョムキン」をお手本に提示したりしているらしいし。言行不一致なところもイオセリアーニだ。

2012年1月13日金曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)ドイツ映画特集より

ドイツ文化センター主催の「ドイツ映画特集」で旧ソ連(ウクライナ)関連映画2本上映 http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja8588466v.htm
2012119 ()21 () 青山一丁目・ドイツ文化会館ホール

★ほんとうは「DER GANZ GROSSE TRAUM」(サッカー映画です。オデッサ・スタジオ参照)あたりをやって欲しかったけれど、どうせ観に行けないからいいや、とやや投げやり。旧ソ連圏関連かと思われるのは次の2本。



「ホテル・ルックス」
レアンダー・ハウスマン監督ドイツ2011
119() 1900
 上映前にオープニングのごあいさつ、上映後に監督へのインタビューあり。
121日(土)1900

★ホテル・ルックスは1911年にモスクワに誕生したホテルで、1930年以降は主にドイツからの亡命者を多く受け入れたが、1930年代末期の粛清の時代にはこのホテルの住人たちの多くもその犠牲になった…というある程度史実を基にしたストーリーであるようだ。赤の広場近くのロシアホテルのことだろうか?と思ったけれど、あれは1960年代に作られたのだという。
 http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja8603008.htm




②「若き天才音楽家たち」
マルクス・オットー・ローゼンミュラー監督ドイツ2011
120日(金)1900
121日(土)1130

1941年、ウクライナ(ポルタヴァ?)の音楽家の卵たち、ユダヤ系のラリーサとアブラシャ、ドイツ系のハンナの、ホロコーストを題材にしたストーリー。
 http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja8603014.htm

2012年1月8日日曜日

◇КНИГА(書籍情報2012年1月⑥)レーニン新訳

『国家と革命』
ウラジーミル・レーニン著角田安正訳講談社学術文庫201112月刊1008ISBN978-4062920902
★訳者は光文社古典新訳文庫の『帝国主義論』を訳した方。

◇КНИГА(書籍情報2012年1月⑤)文学史をどうぞ

『知っておきたいロシア文学』  宇佐見森吉・宇佐見多佳子著明治書院201112月刊945  ISBN978-4-625-68610-8

★『名作あらすじ事典-西洋文学編』(2006年刊)に収録しているロシア文学について、増補して独立した一冊としたもの。「はつ恋」「カラマーゾフの兄弟」「罪と罰」「戦争と平和」「かもめ」など代表傑作50作品の「あらすじ」と「よみどころ」を紹介。姉妹編に『知っておきたいアメリカ文学』『知っておきたいイギリス文学』『知っておきたいフランス文学』『知っておきたいドイツ文学』があります。

◇КНИГА(書籍情報2012年1月④)宇宙開発史

『ロシア・シオニズムの想像力 ユダヤ人・帝国・パレスチナ』 鶴見太郎著東京大学出版会20121月下旬刊行予定5420ISBN978-4-13-016032-2



『ロシア宇宙開発史』 
冨田信之著東京大学出版会20122月上旬刊行予定5670 ISBN978-4-13-061161-9

 モスクワの宇宙征服者のモニュメント(2011年8月撮影)

こちらは公園の側から。(同じく2011年8月撮影)
『軍隊とシヴィリアン・コントロール』
マイケル・C・デッシュ著澤田眞治訳慶應大学出版会201235日刊行予定ISBN978-4-7664-1869-9

★第4章「混乱の統制―ソビエトとロシア軍隊における文民統制」でソ連→ロシアのシヴィリアン・コントロールを論じます。



『日露戦争とサハリン島 スラブ・ユーラシア叢書 10
原暉之編著北海道大学出版会201110月刊3990ISBN 978-4-8329-6750-2

◇КНИГА(書籍情報2012年1月③)ソ連はかっこよかった

彩流社の新刊2冊

『切手紀行シリーズ 4ハバロフスク』
内藤陽介著彩流社2800(+税)201110月刊ISBN978-4-7791-1649-0

池田伸哉著・写真彩流社2500(+税) 201112月刊ISBN978-4-7791-1666-7
★副題が『СССР 1986 Союз Советских Социалистических Республик 1986』とあるように、1986年の冬にソ連を訪れた時の写真集。モノクロで暗く感じますが、とにかくかっこいい!特に表紙に使われている、モスクワ赤の広場の士官学校の生徒さん達。

2012年1月4日水曜日

◇КНИГА(書籍情報2012年1月②)岩波少年文庫のシベリア


『灰色の地平線のかなたに』

ルータ・セペティス作野沢佳織訳岩波少年文庫2012125日刊行予定ISBN978-4-00-115651-5

1941年のシベリアの強制収容所に入れられた少女(親が粛清に遭った?)が苛酷な日々を生き抜き、絵を描きためていく、というもの。英語のヤングアダルト?

◇КНИГА(書籍情報2012年1月①)チェーホフは未知谷


『いいなずけ』

 アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ作ラリーサ・ゼネーヴィチ絵児島宏子訳21000ISBN978-4-89642-192-7

★チェーホフ最後の短篇。画家はノルシュテイン・スタジオのアニメーターで、「白黒フィルム」(ソロコフ監督)『少年と鳥』(ピメノフ監督)等の美術監督。



『映画の原典を読む 映画芸術《思想化》の歩み』

 渡辺淳著未知谷201112月刊2100ISBN978-4-89642-362-4

★「エイゼンシュテイン『戦艦ポチョムキン』 《モンタージュ理論》の原点」等映画の古典作品を解説。



『ピンゼル』

 ヨハン・ゲオルク・ピンゼル絵ボリス・ヴォズニツキ編・解説タチアナ・ディティナ英語訳加藤有子日本語訳水沢勉序文未知谷2011年刊10500ISBN978-4-89642-357-0 C0071

★ちょっとお値段が…ですが(英訳なくていいからもっと安くしてほしいというのが正直なところ)、ウクライナの知られざる巨匠のめくるめく世界が本邦初公開。関連書籍に『オリガと巨匠たち――私のウクライナ紀行』。←「巨匠たち」の筆頭がピンゼル。昨年NHK教育テレビの美術番組でも取り上げられました。