2011年4月29日金曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)本日から米原万里展


2011429日(金)-710日(日) 由比ヶ浜・鎌倉文学館
★昨年の連休に市川の芳澤ガーデンギャラリーで行われていた米原万里巡回展が鎌倉に。関連イベントとして文学講演会(講師:井上ユリ、池澤夏樹)が515日(日)鎌倉市生涯学習センターホール(要予約)。

芳澤ガーデンギャラリーでの米原万里展

2011年4月26日火曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年4月版⑥)久々にユーラシア

ユーラシア・ブックレット最新刊
★今までのペースだと2月下旬に出るはずだった№161-165がようやく刊行!
『シベリア野鳥紀行 ユーラシア・ブックレット№161
福田俊司著東洋書店20114月刊630ISBN978-4-885959851
★去年梨木足跡を読んで「実際観に行けたら最高なんだけど」と感じたシベリア・極東の野鳥のサンクチュアリ。野鳥の限らず野生動物を多数の写真で綴る、とあります。

『変わるロシアの教育 ユーラシア・ブックレット№162
岩崎正吾・関啓子著東洋書店20114月刊630ISBN978-4-885959868

『ロシア語セカンドステップVol.2名詞の変化マスター ユーラシア・ブックレット№163
源貴志著東洋書店20114月刊630ISBN978-4-885959875
★現在NHKラジオロシア語講座入門編講師をなさっている源先生のセカンドステップ第二弾。Vol.1ロシア語セカンドステップ―基本動詞60 ユーラシア・ブックレット№63

『皇帝たちのサンクト・ペテルブルグ ―ロマノフ家名跡案内― ユーラシア・ブックレット№164
宇多文雄著東洋書店20114月刊630ISBN978-4-885959882
★宇多先生と言えば「食道楽」のイメージ(ロシアおいしい等々)。ペテルブルグものにはサンクト・ペテルブルグ―よみがえった幻想都市がありました。でも本名では久々?

『ロシアン・ビューティー ビジネス体験から覗いた美の世界 ユーラシア・ブックレット№165
中尾ちゑ子著東洋書店20114月刊630ISBN978-4-885959899

2011年4月24日日曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年4月版⑤)

『現代文 トルストイの日露戦争論』
レフ・トルストイ著平民社訳国書出版会20111月刊1500+ISBN978-4-336-05340-4
★レフ・トルストイが1904627日に「ロンドン・タイムス」に寄稿、平民社の堺利彦・幸徳秋水らが翻訳し「平民新聞」第39号(190487日)に掲載、文明堂出版社が同年920日に『トルストイの日露戦争論』として発行。国書刊行会の本書では、明治の文体を現代文に直し、旧漢字旧かなづかい旧地名(倫敦・羅馬等)を改め、小見出しをつけ、フランスのフィガロ紙、イギリスのロンドン・タイムス紙の各評論、石川啄木の批評「トルストイ翁論文」を併載。というわけで、実質新訳としてもよさそうな、現代的な装いで、読みやすくできています。

『黄金の夢の歌』
津島佑子著講談社201012月刊2200+ISBN978-4-062166485
★キルギスの英雄譚「夢の歌」をたどる「あなた」(日本人女性)とその友人の弟(中国人らしい)、それにキルギスの人たちの紀行を地の文に、「歌」がはいりこむ。不思議な物語だ。中央アジアという土地にあって、多くの民族が通り過ぎ、英雄らが「歌」になった。が、キルギスの人たちにとって玄奘などは、どうでもいい」が、「この土地に勝手に侵略してきた連中であるはずなのに」アレクサンドロス大王については「無関心ではいられない」「マナスの歌のひびきを呼び起こす存在になっているのかも」というあたりが興味深い。ウズベクの人にとってのチムールもそんな感じか。

2011年4月23日土曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年4月版④)名講義再び

伝説の名講義が帰ってきた!

『ゴーゴリ『鼻』全文読解』(『名作に学ぶロシア語』読本シリーズ)
井上幸義著ナウカ出版20114月刊2940ISBN978-4-904059-07-4

2007年度後期のNHKラジオロシア語講座応用編井上幸義先生の「ゴーゴリの『鼻』を読む」は好評を博しましたが、時間的制約から全体の約半分しか取り上げられませんでした。ここでは全文を、さらに詳細に読み解きます。ヴラジーミル・サモイロフさん朗読のCD付きでこのお値段とは「お買い得安い」(←「と椅子屋くどい顔」と続くと回文になるので何となく染みついているフレーズ)。
 「名作に学ぶロシア語」読本シリーズは今後『アンナ・カレーニナ』『プーシキン傑作選』など続刊予定とのこと。過去のNHKラジオ講座の応用編で取り上げられた懐かしの諸作品に出会えるととっても嬉しいのだけれど。あと、NHK出版ではなくてナウカ出版での刊行なのですね。

2011年4月21日木曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年4月版③チェーホフ、チェーホフ、チェーホフ…

『チェーホフ、チェーホフ』
桜井郁子著影書房20114月刊行2625ISBN978-4877144135
★著者は日本におけるロシア演劇のオーソリティーの一人。『わが愛のロシア演劇』や、俳優エヴゲニー・レーベジェフの自伝的な話『妹』(←泣ける!)の訳書のある著者のチェーホフへの思いを込めた一冊。

『ドストエフスキー』
江川卓著岩波新書2011520日アンコール復刊(1984年刊)756ISBN978-4-00-420286-8
★ドストエフスキーのファーストコンタクトは中村健之介先生の『ドストエフスキーのおもしろさ』(岩波ジュニア新書 1988年刊)で、江川先生のこの御本はセカンドコンタクトだったと記憶しています。それから『謎解き○○』シリーズへ。

2011年4月18日月曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)フィンランド版・逆マリュートカ?

4月の涙」«KÄSKY»
アク・ロウヒミエス監督2009年フィンランド・ドイツ・ギリシャ
5/7(土)-シネマート新宿/銀座シネパトス
★ロシア革命後に独立を果たしたフィンランドで起こった内戦(1918127-515日)の中で、敵同士で出会ってしまったけれど、二人きりで孤島に遭難して…というと、グリゴリー・チュフライの「女狙撃兵マリュートカ」を思い出してしまうな。フィンランド語・ドイツ語・ロシア語。
★私の感想は「オデッサ海岸通り」に書きました。

2011年4月14日木曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年4月版②)

『囁きと密告 スターリン時代の家族の歴史』(上・下2巻)
オーランドー・ファイジズ著染谷徹訳白水社20114月下旬刊
上巻ISBN978-4-560-08127-3
下巻ISBN978-4-560-08128-0

『カンポ・サント』
W.G.ゼーバルト著鈴木仁子訳白水社20114月刊2415ISBN978-4-560-02733-2
★批評「夢のテクシュチュア ナボコフについての短い覚書」収録。


『CDブックこれなら覚えられる!ロシア語単語帳』
柳町裕子著NHK出版20113月刊1995ISBN978-4140395332

『悪霊2』(全3巻) 
フョードル・ドストエフスキー著亀山郁夫訳光文社古典新訳文庫20114月刊 1200ISBN978-4-334-75227-9
★『悪霊1』刊行が20109月でしたので、少々間のあいた感はあります。

『ドストエフスキイと日本文化 漱石、春樹、そして井坂幸太郎まで』
井桁貞義著教育評論社20113月刊2940ISBN 978-4-905706-58-8

『ラジーシチェフからチェーホフへ ロシア文化の人間性』
白倉克文著成文社20113月刊4200ISBN978-4915730849

2011年4月11日月曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報) アテネの授業

アテネ・フランセ文化センター恒例の「映画の授業 Leçon de Cinéma
2011524日(火)-64日(土)御茶ノ水・アテネ・フランセ文化センター
「武器庫(アルセナール)」«Арсенал»
 アレクサンドル・ドヴジェンコ監督1929
524日(火)17:30-
64日(土)18:00-
★アルセナール・キエフというサッカークラブ(2011411日現在ウクライナプレミアリーグ7位)は、「イングランドのアーセナルをぱくったのか?」とサッカーファンに思われがち。ですが、キエフの由緒ある武器工場(アルセナール)に由来するのです。この武器工場ができたのは1764年のエカチェリーナ2世治下であり、サッカークラブができたのは1925714日。この武器工場アーセナルは、ウクライナで第一回人民大会が行われた場所であり、ドヴジェンコの映画はその時代のウクライナの革命熱(←一種の狂気?)を描きます。

「未来への迷宮」«Строгий юноша»
アブラム・ローム監督1935
525日(水)19:00-
63日(金)16:50-
★「ベッドとソファ」で巧みに三角関係の心理描写をなしたアブラム・ローム監督ですが、ユーリー・オレーシャの小説『厳しい青年』原作のこの作品は大まじめなのかふざけているのか判然としないカオスな雰囲気。公開禁止にしたソ連当局の人の困惑がわかるような気がします…。

「外套と短剣」
フリッツ・ラング監督1946年アメリカ
★モスクワ出身のウラジーミル・ソコロフ(「どん底」(ジャン・ルノワール監督1936年)・「隊長ブーリバ」(J.リー・トンプソン監督1962年)等)出演作品。
526日(木)19:00-
62日(木)17:10-

2011年4月10日日曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年4月版①)

『タルコフスキーとその時代-秘められた人生の真実-』
西周成著アルトアーツ(発売:星雲社)201144日発売1050ISBN 978-4434154898
★これ、実は某サッカーサイトのロシア対カタール国際親善試合欄の広告として載っていたので知ったのです。

 
『ドストエフスキイと日本文化 漱石、春樹、そして井坂幸太郎まで』
井桁貞義著教育評論社20113月刊2940ISBN 978-4-905706-58-8

『ラジーシチェフからチェーホフへ ロシア文化の人間性』
白倉克文著成文社20113月刊4200ISBN978-4915730849

『悪霊2』(全3巻) 
フョードル・ドストエフスキー著亀山郁夫訳光文社古典新訳文庫20114月刊 1200ISBN978-4-334-75227-9
★『悪霊1』刊行が20109月でしたので、少々間のあいた感はあります。

『CDブックこれなら覚えられる!ロシア語単語帳』
柳町裕子著NHK出版2011年3月刊1995円ISBN978-4140395332

◇КНИГА(書籍情報2011年3月版②)

『ローラのオリジナル』
ウラジーミル・ナボコフ著若島正訳作品社20113月刊ISBN 978-4861823183
★ナボコフの未完の小説。自筆創作カード全138枚、英文付!解題:中田晶子「『ローラ』をめぐる欲望――遺作が姿を現すまで」解説:若島正「ナボコフの消失奇術」収録!と、!ばかりになってしまいましたが、これが日本語で読めるなんて感激。

『令嬢たちのロシア革命』
斎藤治子著岩波書店2011414日発売3990ISBN978-4-00-025658-2

『ロシアとパレスチナを繋いだ想像力 シオニズムの歴史社会学』
鶴見太郎著東京大学出版会後日出版予定
★第一回東京大学南原繁記念出版賞受賞論文。