2012年10月30日火曜日

◆ПЕРЕДАЧА(放送予定) エルミタージュは猫の家

NHKBSプレミアム 特集ドキュメンタリー「エルミタージュの猫たち~女帝と猫と名画の奇妙な物語」

2012113日(土) 745分~845

9月に放映されたものの再放送です。

★エルミタージュと言ったら猫ですよ。こちらは私が昨夏撮影したエルミタージュの猫。
 


この門の向こうにいたのだ。

 

★こちらはエルミタージュのミュージアムショップで販売していた猫カタログ『エルミタージュは猫の家』。コンパクト版もあります。
 

 

2012年10月4日木曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)こちらも帰ってきた、ソクーロフ


ソルジェニーツィンとの対話+ソクーロフ選集 ロシア/音楽/亡命

1027日(土)~112日(金) オーディトリウム渋谷

 

初夏に行われた「ファウスト」公開記念 ロシアの巨匠ソクーロフ選集と上映作品はかなり共通しています(拙ブログソクーロフスキー・ドクメンターリヌィエ・フィーリムィ(Сокуровские документальные фильмы」参照)。

 

「モーツァルト・レクイエム」«Петербургский дневник. Моцарт. Реквием»
2004年フランス

★日本初公開作品。原題は「ペテルブルグ日記―モーツァルト・レクイエム」。(「ペテルブルグ日記」と題する作品はこれの他にドストエフスキー編(1997年)とコージンツェフ編(1998年)があります。)「レクイエム」の舞台(コンサート形式のオペラ上映みたいな感じで、歌手たちが歌いながら舞台を移動する様子を延々と撮っている)をひたすら追う70分。後の「エルミタージュ幻想」にも通じる作風。

 

「ヴィオラソナタ・ショスタコーヴィチ」«Альтовая соната. Дмиторий Шостакович» 
1981年ソ連

★師匠セミョーン・アラノヴィチとの共同監督作品。作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィチの生涯を、貴重な記録映像(バレエ「黄金時代」初演時(サッカー編)の衣装などが観られる!)を駆使して描く。

 

「エルミタージュ幻想」«Русский ковчег»
2002年ロシア

★エルミタージュ内を巡る驚異の90分ワンカット。ゲルギエフ指揮のオーケストラも見もの聴きもの。豪華でそれまでのソクーロフっぽくない。

 

「チェチェンへ アレクサンドラの旅」«Александра»
2007年ロシア

ガリーナ・ヴィシネフスカヤ演じる老女アレクサンドラが、孫が赴任しているチェチェンの駐屯地に現れる。思い切り場違いな彼女に対して駐屯地の兵士たちは結構優しい(世話役を仰せつかった兵士は役立たずだが)。チェチェンの美少年イリヤスの「こんなに長く戦争をして、もう解放してほしい」という言葉に対して、アレクサンドラ曰く「日本の老女が言っている。どんなに辛いことも終わる時が来る。必要なのは理性を失わないこと。武器や暴力に真の力はない。」誰のこと?と思ったら、日本の老女японская конституция説が。憲法は確かに女性名詞、しかし<老女>扱いか。ロシア兵だけでなく、チェチェンの市井の人々もアレクサンドラ(割と我がまま気ままなおばあちゃんなのだが)にとても親切だ。しかしその親切にロシア人としてはいつまでも甘えていてはいけないのでは? 

「ソルジェニーツィンとの対話」«Узел. Беседы с Солженицыным»
1998年フランス

★ノーベル賞作家ソルジェニーツィンは聞きしに勝るコンサバなロシア語観の持ち主なのだった。奥さんはサハロフ博士夫人のボンネルさんを想わせる賢夫人。

 

「ロストロポーヴィチ 人生の祭典」«Элегия жизни Рострапович. Вишневская»
アレクサンドル・ソクーロフ監督2006

★原題「人生のエレジー ロストロポーヴィチ、ヴィシネフスカヤ」とは似ても似つかない邦題に。観ればわかるが、ヴィシネフスカヤはエネルギッシュだ。④の次作に続く。

 

「牡牛座 レーニンの肖像」«Телец»
2001年ロシア

★レオニード・モズガボイは、この作品でレーニンを、「モレク神」«Молох»でヒトラーを、「ストーン クリミアの亡霊」«Камень»でチェーホフを演じています。役者って凄いな。「エルミタージュ幻想」(③)にも出演しています。

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)帰ってきた、愛しのカウリスマキ


帰ってきたアキ・カウリスマキ

929日(土)~105日(金)1100/1300/1500/1700/1900

1013日(土)~1026日(金)2100

渋谷・ユーロスペース

 

上映される作品は今春行われた「ル・アーヴルの靴みがき 公開記念おかえり!カウリスマキ」とかなりの部分重なります。そのうちのロシア・旧ソ連圏関連作品を紹介します(拙ブログおかえり!タチアナ おかえり!ライヒカイネン おかえり!レニングラード・カウボーイズ!!!参照。但し、②のスペシャル・プログラム「アキ・カウリスマキ・ミーツ・ロケンロール」の小品群は1021300、⑧「カラマリ・ユニオン」は1012100一回限りの上映でした)。

アキ・カウリスマキは、オムニバス映画「テン・ミニッツ・オールダー」«На десять минут старше — Труба»中の「結婚は10分で決める」эпизод «Собаки не отправляются в ад»(今回は上映されません)では切符売りのキルシ・テュッキュライネンに得意のロシア語で列車案内をさせているのも含めて、極めてロシア・ソ連との結びつきが強い鬼才監督なのです。 

「罪と罰」«Преступление и наказание»
1983年フィンランド

★カウリスマキ長編デビュー作はドストエフスキーの長編を現代のフィンランドに置き換えたもの(ラスコーリニコフはライヒカイネンね!)。台詞は少なくカウリスマキ節だけれど、確かにドストエフスキー。

 

②スペシャル・プログラム アキ・カウリスマキ・ミーツ・ロケンロール

「トータル・バラライカ・ショー」«Балалайка шоу»
1993年フィンランド

1993612日にヘルシンキの元老院広場で行われたレニングラード・カウボーイズとアレクサンドロフ赤軍合唱団のジョイントコンサートのライブ・フィルム(演奏された24曲のうち13曲を収録)。最高。何度観てもいい。赤軍合唱団のおじさんのソロが「フィンランディア」を歌い上げる冒頭からわくわくし、だんだん暮れてくると、ああ、コンサートが終わってしまう…と激しい寂寥感に駆られる。レニングラード・カウボーイズの面々が英語で歌う「ポーレシュカ・ポーレ」(O,Field!)もなかなかいいものだ。「長い道」はレニングラード・カウボーイズと赤軍合唱団の人が肩を組んで歌い、合間にキルシ・テュッキュライネンがPadamPadamPadam...と(今思えばエディット・ピアフを模していたのか?)歌うなんて、なんとも豪華で大感激。

 

「ロッキーⅥ」«Рокки-6»
1986年フィンランド

★もちろんあの映画のパロディーで、痩せたアメリカ人ボクサー対立派な体格のロシア人ボクサーとの対戦を描く。(カウリスマキはかの映画がお嫌いだそうです。)

 

「悲しき天使」«Вот были деньки»
1991年フィンランド

★あのロシア歌謡の名曲「長い道」(「トータル・バラライカ・ショー」でレニングラード・カウボーイズとアレクサンドロフ赤軍合唱団とキルシ・テュッキュライネンが歌っている曲。カウリスマキのお気に入りなのでしょうか)が全編に流れます。夜のパリのカフェが舞台で、亡命ロシア人を想定しているのか?

 

※「ワイヤーを通して」«Сквозь проволоку»1987年フィンランド)「俺らのペンギン・ブーツ」«Эти башмаки»1992年フィンランド)も同時上映。

 

「愛しのタチアナ」«Береги свою косынку, Татьяна»
1994年フィンランド

★おそろしくいけてない青春ものの白眉ともいえる作品。カティ・オウティネンがタイトル・ロールのエストニア人女性を、キルシ・テュッキュライネンがロシア人女性クラウディアを演じて、時に辛辣に、時に優しく、無口で無様な男二人との愛を育んでいくのです。テュッキュライネンはロシア語を話す役が多い(カウリスマキ作品だけでなく、アレクサンドル・ロゴシュキンの映画にも出演している)のですが、実は本職は大学のロシア語の先生なのでした。

 

「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」«Ленинградские ковбои едут в Америку»
1989年フィンランド・スウェーデン

★この奇天烈なバンドの面々は、「俺らのペンギン・ブーツ」によると、リーゼントに尖った靴着用で生まれてきたらしいのだが、故郷のツンドラから悪徳マネージャーのウラジーミルの口車に乗ってアメリカ大陸演奏旅行に出かけるのでした。

 

「レニングラード・カウボーイズ・モーセに会う」«Ленинградские ковбои встречают Моисея»
1994年フィンランド・イタリア・スウェーデン・フランス

★④の続編。アメリカからヨーロッパ経由で故郷ツンドラを目指します。旧約聖書をパロディー化しているのが日本では今一つ理解されなかったようです。

 

「街のあかり」«Огни городской окраины»
2006年フィンランド

★あのソ連歌謡が流れる印象的な場面を生かすために、邦題は「街のともしび」にすればよかったのに、なんて思います。

 

「浮き雲」«Вдаль уплывают облака»
1996年フィンランド

★夫の再就職先はロシアへの長距離バスの運転手職(問題があってそれもだめになるのだが)。フィンランドは高失業率で苦しみ、ロシアもカオス状態が酷かった時期になります。

 

「カラマリ・ユニオン」«Союз Каламари»
1985年フィンランド

★フランクたちが目指す、町の向こうの希望の地エイラはエストニアのタリンなのですが…。ソ連でペレストロイカが始まった年の作品。

 さあ、マッティ・ペロンパーに会いに行こう。

◆ПЕРЕДАЧА(放送予定)10月の世界遺産


TBS系列日曜午後6時より放送の「THE世界遺産」、10月はロシア編?

1014日 カムチャツカ火山群Ⅰ(Камчатка
1021日 カムチャツカ火山群Ⅱ(Камчатка
1028日 オヴスヌール盆地(Убс-Нуур/Увс-Нуур)(モンゴル・ロシア)

2012年10月3日水曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)ソハの地下水道


「ソハの地下水道」«Во мраке»

アグニェシュカ・ホランド監督ポーランド・ドイツ2011
922日~TOHOシネマズ・シャンテ他

1941年~1944年にリヴォフ(ポーランド語でルヴフ、ウクライナ語でリヴィウ)で下水修理工ソハがその仕事場である地下水道に多くのユダヤ人をナチス・ドイツから匿っていたという実話を元にした歴史物。ポーランド人・ウクライナ人・ドイツ人・ユダヤ人などが登場し、ポーランド語・バラク語(ルヴフ訛りのポーランド語?)・ドイツ語・ウクライナ語・イディッシュ語・ロシア語の多言語が話される。脚本段階ではハリウッド向けに英語一本になるところだったけれど、ホランド監督がこだわりぬいて6言語が使われている。