2012年4月17日火曜日

◆ПЕРЕДАЧА(放送予定)カチャーノフ版「チェブラーシカ」再放送!

「チェブラーシカ デジタルリマスター版 4話」日本語吹替版
2012年430日(月・振替休日)9:0010:10NHK Eテレ(教育)

13日に地上波初登場だった、ロマン・カチャーノフ監督作品(「ワニのゲーナ」«Крокодил Гена»1969年、「チェブラーシカ」«Чебурашка»1971年、「シャパクリャーク」«Шапокляк»1974年、「チェブラーシカ学校へ行く」«Чебурашка идёт в школу»1983年)の放映。

★日本語吹替版とのことですが、このあいだ録画したものは副音声でルミャーノヴァ(チェブラーシカ)などロシア語の原音を聴くことができました。

2012年4月13日金曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)こてこてグルジア特集

「映画の授業 グルジア映画篇」
5/29(火)~6/2(土) 御茶ノ水・アテネ・フランセ文化センター

「ピロスマニ」«Пиросмани»
1969年ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督
5/29(火)1700

「若き作曲家の旅」«Путешествие молодого композитора»
1985年ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督
5/29(火)1900

「結婚」«Свадьба»
1964年ミハイル・コバヒーゼ監督
5/30(水)1600(④「インタビュアー」との二本立て)

「インタビュアー」«Несколько интервью по личным вопросам»
1978年ラナ・ゴゴベリーゼ監督
5/30(水)1600(③「結婚」との二本立て)

「傘」«Зонтик»
1967年ミハイル・コバヒーゼ監督
5/30(水)18:30(⑥「転回」との二本立て)

「転回」«Круговорот»
1986年ラナ・ゴゴベリーゼ監督
5/30(水)18:30(⑤「傘」との二本立て)

「戦火を越えて」«Отец солдата»
1964年レゾ・チヘイーゼ監督
5/31(木)17:00

「ルカじいさんと苗木」«Саженцы»
1973年レゾ・チヘイーゼ監督
5/31(木)19:00

「火の馬」«Тени забытых предков»
1964年セルゲイ・パラジャーノフ監督
6/1(金)16:30(⑩「ピロスマニのアラベスク」との二本立て)

「ピロスマニのアラベスク」«Арабески на тему Пиросмани»
1986年セルゲイ・パラジャーノフ監督
6/1(金)16:30(⑨「火の馬」との二本立て)

「青い山/本当らしくない本当の話」«Голубые горы или неправдоподобная история»
1984年エリダル・シェンゲラーヤ監督
6/1(金)19:00

「田園詩」«Пастораль»
1975年オタール・イオセリアーニ監督
6/2(土)15:50

「希望の樹」«Древо желания»
1977年テンギス・アブラーゼ監督
6/2(土)18:00

★アルメニア人のパラジャーノフ作品、しかもカルパチアの民俗性を全面に押し出した「火の馬」がラインナップに加わっているのには少々違和感を持ってしまうのですが、これが眩暈をもよおすように美しく悲しい。
★ゲオルギー・シェンゲラーヤの「ピロスマニ」は画家の半生を追う伝記物、パラジャーノフの「ピロスマニのアラベスク」はピロスマニの作品を同じ画家としてオマージュを捧げたような作品になっています。
★「傘」には「落葉」の主人公ニコを演じたラマーズ・ギオルゴビアーニが出演(台詞なし)。
★ふたりのシェンゲラーヤ監督は兄弟です。
★テンギス・アブラーゼは「懺悔」の監督。「希望の樹」は因習に残酷に引き裂かれる純真無垢なカテリーナ・イズマイロヴァ、みたいな話。これを観て私の友人は「私はあれよ、おんぼろ日傘の女性!」と感銘にうち震えながら言ったものです。
★この「希望の樹」や女性監督ラナ・ゴゴベリーゼの「インタビュアー」に出演している名女優のソフィコ・チアウレリは「ベルリン陥落」のミハイル・チアウレリの娘にして「不思議惑星キン・ザ・ザ!」のゲオルギー・ダネリヤのいとこ。ゲオルギー・シェンゲラーヤは元夫。しかし、何よりパラジャーノフの「ざくろの色」で一人6役?を演じたことで名を馳せ、また「アシク・ケリブ」「スラム砦の伝説」等彼の作品には欠かせない人でした。
★レゾ・チヘイーゼ作品に出てくるこてこてに濃~いグルジアのおじいさんのパワーもお見逃しなく。「戦火を超えて」では兵士の息子をはるかに凌駕する大活躍ぶり、「ルカじいさんと苗木」は幻の苗木を訪ねて大旅行するが、このおじいさんの血は孫のカハ(いきなり登場する外国人にも全く動じない、英会話ばっちり&歌いまくり)にしっかり受け継がれているとみた。

2012年4月10日火曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)おかえり!タチアナ おかえり!ライヒカイネン おかえり!レニングラード・カウボーイズ!!!

  「ル・アーヴルの靴みがき 公開記念おかえり!カウリスマキ」

4/21(土)~4/27(金)渋谷ユーロスペースにて、4/28(土)より公開されるカウリスマキの新作「ル・アーヴルの靴みがき」«Гавр»を記念して、監督の過去20作品が一挙に特集上映されます。そのうちのロシア・旧ソ連圏関連作品を紹介します。
 
「罪と罰」«Преступление и наказание»
  1983年フィンランド
★カウリスマキ長編デビュー作はドストエフスキーの長編を現代のフィンランドに置き換えたもの(ラスコーリニコフはライヒカイネンね!)。台詞は少なくカウリスマキ節だけれど、確かにドストエフスキー。

②スペシャル・プログラム アキ・カウリスマキ・ミーツ・ロケンロール
  「トータル・バラライカ・ショー」«Балалайка шоу»
  1993年フィンランド
1993612日にヘルシンキの元老院広場で行われたレニングラード・カウボーイズとアレクサンドロフ赤軍合唱団のジョイントコンサートのライブ・フィルム(演奏された24曲のうち13曲を収録)。最高。何度観てもいい。赤軍合唱団のおじさんのソロが「フィンランディア」を歌い上げる冒頭からわくわくし、だんだん暮れてくると、ああ、コンサートが終わってしまう…と激しい寂寥感に駆られる。レニングラード・カウボーイズの面々が英語で歌う「ポーレシュカ・ポーレ」(O,Field!)もなかなかいいものだ。「長い道」はレニングラード・カウボーイズと赤軍合唱団の人が肩を組んで歌い、合間にキルシ・テュッキュライネンがPadamPadamPadam...と(今思えばエディット・ピアフを模していたのか?)歌うなんて、なんとも豪華で大感激。
 
「ロッキーⅥ」«Рокки-6»
  1986年フィンランド
★もちろんあの映画のパロディーで、痩せたアメリカ人ボクサー対立派な体格のロシア人ボクサーとの対戦を描く。(カウリスマキはかの映画がお嫌いだそうです。)

「悲しき天使」«Вот были деньки»
  1991年フィンランド
★あのロシア歌謡の名曲「長い道」(「トータル・バラライカ・ショー」でレニングラード・カウボーイズとアレクサンドロフ赤軍合唱団とキルシ・テュッキュライネンが歌っている曲。カウリスマキのお気に入りなのでしょうか)が全編に流れます。夜のパリのカフェが舞台で、亡命ロシア人を想定しているのか?
 
※「ワイヤーを通して」(1987年フィンランド)「俺らのペンギン・ブーツ」(1992年フィンランド)も同時上映。

「愛しのタチアナ」«Береги свою косынку, Татьяна»
  1994年フィンランド
★おそろしくいけてない青春ものの白眉ともいえる作品。カティ・オウティネンがタイトル・ロールのエストニア人女性を、キルシ・テュッキュライネンがロシア人女性クラウディアを演じて、時に辛辣に、時に優しく、無口で無様な男二人との恋を育んでいくのです。テュッキュライネンはロシア語を話す役が多い(カウリスマキ作品だけでなく、アレクサンドル・ロゴシュキンの映画にも出演している)のですが、実は本職は大学のロシア語の先生なのでした。
 
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」
«Ленинградские ковбои едут в Америку»
  1989年フィンランド・スウェーデン
★この奇天烈なバンドの面々は、「俺らのペンギン・ブーツ」によると、リーゼントに尖った靴着用で生まれてきたらしいのだが、故郷のツンドラから悪徳マネージャーのウラジーミルの口車に乗ってアメリカ大陸演奏旅行に出かけるのでした。
 
「レニングラード・カウボーイズ・モーセに会う」
«Ленинградские ковбои встречают Моисея»
  1994年フィンランド・イタリア・スウェーデン・フランス
★④の続編。アメリカからヨーロッパ経由で故郷ツンドラを目指します。旧約聖書をパロディー化しているのが日本では今一つ理解されなかったようです。
 
★上記の他の作品でも、「カラマリ・ユニオン」«Союз Каламари»における町の向こうの希望の地エイラはエストニアのタリンだし、「街のあかり」«Огни городской окраины»ではあのソ連歌謡が流れるし、「浮き雲」«Вдаль уплывают облака»では夫の再就職先がロシアへの長距離バスの運転手職だったり(問題があってそれもだめになるのだが)、とロシアとの結びつきが発見できます。今回は上映されないのですが、オムニバス映画「テン・ミニッツ・オールダー」«На десять минут старше — Труба»中の「結婚は10分で決める」эпизод «Собаки не отправляются в ад»では切符売りのキルシ・テュッキュライネンが得意のロシア語で列車案内をしています。

 最後にもう一言、おかえり!マッティ・ペロンパー!!!

2012年4月6日金曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)アブドラジャンが!マシコフおじさんが!そしてロボットのジョン君が!異形の人々旧ソ連版はほのぼのSFを見逃すな!

思わずタイトルが長くなってしまいましたが。 4/21(土)~5/18(金)シネマヴェーラ渋谷「妄執、異形の人々★海外編」

大型連休にはシネマヴェーラに、古き良きソ連のほのぼのSF&怖くないホラー映画を観に行こう!

「ベレジーナ スイス最後の日」«Березина, или Последние дни Швейцарии»
ダニエル・シュミット監督1999年スイス・ドイツ・オーストリア
★公開時に見逃してしまいました。スイスの政財界を風刺したブラックコメディー。エレーナ・パノヴァ扮する、国籍取得目当ての出稼ぎ娼婦イリーナが“天然ボケ”ヒロインとのこと。
*5/4(金祝)「深紅の愛 DEEP CRIMSON」との二本立て
*5/11(金)「火を噴く惑星」との二本立て!

UFO少年アブドラジャン」«Абдуладжан, или посвещается Стивену Спилбергу»
ズリフィカール・ムサコフ監督1992年ウズベキスタン
★おっかないけど愛情深いおっかさんのホリダ(トゥチ・ユスポワ)が魅力的!それに比べておとっつぁんのバザルバイは日和見の小心者!コルホーズの農民たちが農機具返還を求めて議長に詰め寄る場面、「クーワ・カエセ(鍬、返せ)!」と聞こえるので耳を澄まそう。UFOに出会いたかった将軍は「モスクワは涙を信じない」の監督さん。「ナイト・ウォッチ」では美少女二次元オタクの闇のリーダーに扮していましたね。
*4/22(日)「笑ふ男」との二本立て
*4/26(木)「ホーリー・マウンテン」との二本立て

「火を噴く惑星」«Планета бурь»
パーヴェル・クルシャンツェフ監督1962年ソ連
★金星に行ってみたら何だか大サービスでプテラノドン風だのブロントサウルス風だのティラノザウルス風だの、妙に小規模だけれどステゴザウルス風のまで、恐竜がやたらと出てくるそれだけでも胸熱なのに、敬語でお願いしないと(しかもロシア語の)言うことを聞かないロボットのジョン君が意味不明な行動をするし、後はマーシャが、マーシャがねえ。結末に関してはまあ謎は謎として楽しむべし。必見。
*5/6(日)「グレンとグレンダ」との二本立て
*5/11(金)「ベレジーナ スイス最後の日」との二本立て

「太陽」«Солнце»
アレクサンドル・ソクーロフ監督2005年ロシア・イタリア・フランス・スイス
★イッセー尾形が昭和天皇裕仁を、桃井かおりが皇后を、佐野史郎が侍従を演じ、皆それぞれ確かに異形です
*5/12(土)「チャイルド・プレイ チヤッキーの花嫁」との二本立て
*5/17(水)「リュシアン 赤い小人」との二本立て

「妖婆 死棺の呪い」«Вий»
アレクサンドル・プトゥシコ監修コンスタンチン・エルショフ、ゲオルギー・クロパチェフ監督1967年ソ連
原作:ニコライ・ゴーゴリ著『ヴィー』(岩波文庫『昔気質の地主たち  附 ヴィー(地妖)』収録)


★ゴーゴリの原作は十分怖いのかもしれませんが…怖くない!妙に明るいホラー映画になっています。且つウクライナの田園が美しい。ナターリヤ・ワルレイはとにかく異界の美女がよく似合う。ソ連の特撮王プトゥシコ大好き、大必見!
*5/13(日)「リュシュアン 赤い小人」との二本立て
*5/18(金)「チャイルド・プレイ チヤッキーの花嫁」との二本立て

「不思議惑星キン・ザ・ザ!」«Кин-дза-дза! »
ゲオルギー・ダネリヤ監督1986
★マシコフおじさん=ロシアの二枚目スタニスラフ・リュプシン(「私は二十歳」«Мне двадцать лет (Застава Ильича)»1965年)のスラーヴァ、ミハルコフ監督の「五つの夜に」«Пять вечеров»1978年)、「剣と盾」«Щит и меч»シリーズ(1968年))。人が変ったようにクー!しているのが衝撃的!すばらしい。
*4/30(月祝)「フリークス」との二本立て
*5/2(水)「透明人間」との二本立て