2011年9月19日月曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)希望を持ちたい

  「カリーナの林檎 チェルノブイリの森」«Девочка по имени Калина»
  今関あきよし監督2004年(2011年再編集)日本

シネマート六本木11月中旬公開予定
 
★ドキュメンタリーではなく、日本人スタッフが考えたドラマ映画です。監督はばりばりのアイドル映画を撮っていた人ですが、性犯罪で実刑を受けていたのでその間のキャリアが空白になっています。ベラルーシ・リトアニアでこの映画の公開が控えていた矢先のことだったそうです。彼のしたことは最も嫌悪する類のものですが、この作品に関しては真摯な思いで作ったのだと信じたいです。通訳やドライバーなど現地スタッフについて、ギヴンネーム(имя)しか書いていないのはかなり失礼なことだと感じます。先方の意向なら仕方ないですが。主演の少女は唯一のロシア人。

2011年9月18日日曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)ひまわりの復活

「ひまわり」 «Подсолнухи»35mmニュープリントデジタルリマスター版
ヴィットーリオ・デ=シーカ監督1970年イタリア
新宿武蔵野館・ヒューマントラストシネマ有楽町で今冬公開

★ボンダルチュク監督の大作「戦争と平和」のナターシャ役で女優デビューしたリュドミーラ・サヴェーリエヴァがソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニとともに大好演したあの名作が復活。

2011年9月17日土曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)IVCより巨匠たちのDVD-BOX発売

 IVCより巨匠たちのDVD-BOX発売

①セルゲイ・エイゼンシュテインDVD-BOX 7枚組
 8/23発売12600

「戦艦ポチョムキン」«Броненосец "Потёмкин"»1925年(淀川長春解説付き)
  「ストライキ」«Стачка»1925
「十月」«Октябрь»1928
「全線 古きものと新しきもの」«Старое и новое (Генеральная линия) »1929
「メキシコ万歳」«Да здравствует Мексика! »1931年(1979年助監督グリゴリー・アレクサンドロフによる再編集)
「アレクサンドル・ネフスキー」«Александр Невский»1935
「イワン雷帝」«Иван Грознцй»1944-1946

②アレクセイ・ゲルマンDVD-BOX 4枚組
9/23発売17610

「道中の点検」«Проверка на дорогах»1971
「戦争のない20日間」«Двадцать  дней без войны»1976
「わが友イワン・ラプシン」«Мой друг Иван Лапшин»1984
「フルスタリョフ、車を!」«Хрусталев, машину! » 1998

③ロシアン・クラシックスDVD-BOX 7枚組
9/23発売14910

「アエリータ」«Аэлита»ヤーコフ・プロタザーノフ監督1924
「母」«Мать»フセヴォロド・プドフキン監督1926
「アジアの嵐」«Потомок Чингис-Хана»フセヴォロド・プドフキン監督1928
「大地」«Земля»アレクサンドル・ドヴジェンコ監督1930
「人生案内」«Путёвка в жизнь»ニコライ・エック監督1931
「宇宙飛行」«Космический рейс»ヴァシリー・ジュラヴリョフ監督1935
「サーカス」«Цирк»グリゴリー・アレクサンドロフ監督1936

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)Fukushimaで想起される2作品

  Image Fukushima vol.2」で「ストーカー」「一年の九日」上映
  9/17(土)-9/23(祝) 渋谷・ユーロスペース
「一年の九日」«9 дней одного года»
  ミハイル・ロンム監督1961年ソ連

★原子力研究の若き科学者、友人、妻が苦悩しつつ生きる、ある年の一日*9回分。主人公は研究のために我が身を犠牲にすることを厭わないが、妻は研究と家事との板挟みに悩む(古典的なネタだが)、友情と恋愛感情に揺れる若者群像(これも古典的な)、とテーマはありふれた青春ものだが、核物理学発展の傍らで放射線による人体被害を扱った最初期のドラマという一面も持つ。後の大俳優アレクセイ・バターロフ、インノケンティ・スモクトゥノフスキー競演。
 
「ストーカー」«Сталкер»
   アンドレイ・タルコフスキー監督1979

★近年ストーカーというと“つきまとい行為をする人”という意味で固定してきてしまいましたが、ここでは“密猟者”という意味で、イントネーションは“低高低”としてください。原作はストルガツキー兄弟の『路傍のピクニック』。「ソラリス」のときは原作者レムと大喧嘩になりましたが、ストルガツキー兄弟はタルコフスキーが何たるものか心得ていたようで原作と全く別物になっても許してくれました。ソ連のSFは隠れた佳作が多いけれど、これは「惑星ソラリス」とともに“SF大作”の名に恥じない作品。

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)犬死になんかじゃないと言いたい

「チェルノブイリ・ハート」«чернобыльское сердце»
マリアン・デレオ監督2003年アメリカ
ヒューマントラストシネマ渋谷 8/13~そろそろ終了?
(銀座テアトルシネマは昨日で上映終了しました。)

★アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞受賞作品。チェルノブイリ事故から16年後の2002年、ベラルーシやウクライナの小児病棟、乳児院を訪れ、重度の障害を負った子どもたち(特に心臓に疾患を持つ子どもたちを「チェルノブイリ・ハート(чернобыльское сердце)」)という)の姿を直視する(辛い…)。
 また、後半の「ホワイト・ホース」ではプリピャチ出身の若者マクシムが十数年ぶりに自宅だったアパートに行って片言の英語で案内する。864月のままのカレンダー。「自分も癌で死ぬ。犬死だ」と自嘲気味に呟いていた彼も撮影の1年後に27歳で世を去ったという。

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)「100年のロシアPartⅡ」(期間延長訂正版)


★アレクセイ・ゲルマン監督の3作品(⑩⑪⑫)が加わり、期間が2日間延長されました。

9/17(土)-9/25(日) 渋谷・アップリンクファクトリー

「デルス・ウザーラ」«Дерсу Узала»

 黒澤明監督1975

★原作はウラジーミル・アルセーニエフ著『デルス・ウザラー』。群像社から岡田和也訳、ゲンナジー・パヴリーシン絵で2006年刊。ちなみに日本映画ではなく、ソ連映画です。



機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」«Неоконченная пьеса для механического пианино»

 ニキータ・ミハルコフ監督1977

★原作は『プラトーノフ』他のアントン・チェーホフの作品。日本で最初に紹介されたミハルコフ作品で、それゆえか今でも「最もミハルコフ的、チェーホフ的」と言われる。ヒロインのエレーナ・ソロヴェイ、脚本のアレクサンドル・アダバジャン、音楽のエドゥアルド・アルテミエフ、撮影のパーヴェル・レべジェフ等“ミハルコフ組”が早くも勢揃い。



「メキシコ万歳」«Да здравствует Мексика! »

 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督1931

1979年に助監督だったグリゴリー・アレクサンドロフが監修・編集)

★エイゼンシュテインがアレクサンドロフとティッセが渡米した際、シンクレアの資金援助で撮影開始したフィルム…なのだが、なかなか完成しないうちにシンクレアとは決裂し、スターリンの呼び出しを受けてソ連に戻らなくてはならなくなり、エイゼンシュテインはネガを置いて帰国。エイゼンシュテインの死後、ようやくソ連の手に戻ったネガフィルムをアレクサンドロフが編集したもの。なので、未完成感が否めません。特に深刻な場面でふざけたような音楽が入るのがとても気になります。とはいえ、迫力の映像は斬新でありながらクラシカル。さすが巨匠!



「モスクワは涙を信じない」«Москва слезам не верит»

ウラジーミル・メニショフ監督1979

★停滞の時代のソ連で大ヒットしたメロドラマ、というか一種のシンデレラ・ストーリー。日本公開のときにも連日立ち見だったそうです。「モスクワは涙を信じない」は「権力に涙は通用しない=泣く子と地頭には勝てない」という諺だったのですが、今では「泣いても事態は好転しない、元気を出しなよ」という慰め、励ましの言葉に変容しています。



「誓いの休暇」«Баллада о солдата»

グリゴリー・チュフライ監督

★「世界で最も愛されたソ連映画」。この映画を紹介するのはそれだけでいい。私の“生涯ベスト5”の一本。



「ベルリン陥落」«Падение Берлина»

ミハイル・チアウレリ監督1949

★スターリン礼賛映画の典型として筆頭に挙げられるのがこの作品。娘のソフィコはパラジャーノフやサディコフ等なかなかアヴァンギャルドな、というか反体制な作品に出演していますが。なお、日本語のウィキペディアには「ソ連初のカラー映画であった。」と謎なことが書かれています(ソ連のカラー映画第一号はニコライ・エック監督の「うぐいす グルニャ・コルナコーワ」1936年)。



「鶴は翔んでゆく」«Летят журавли»

 ミハイル・カラトーゾフ監督1957

★タチアナ・サモイロワ(「アンナ・カレーニナ」)とアレクセイ・バターロフが戦争によって無情に引き裂かれる恋人たちを演じる、ソ連雪解け時代の傑作。



「復活」«Воскресение»

 ミハイル・シヴェイツェル監督1960-61

★レフ・トルストイ原作の映画化作品。最近イタリアでも映画化されましたが、牢獄やシベリアへの列車の中があんまり寒そうに見えなかったのが難点でした。その点、こちらは筋金入りのソ連映画!



「大祖国戦争 巨大なる進撃の記録」«Великая отечественная»

 ロマン・カルメン監督1965

★文字通り、第二次世界大戦勝利に至るまでのドキュメンタリー。



「道中の点検」«Проверка на дорогах»

アレクセイ・ゲルマン監督1971

★私的にはゲルマン監督最高傑作。渋い。タルコフスキーの「僕の村は戦場だった」でドイツ軍への憎悪を貫く少年イワンを演じたニコライ・ブルリャーエフがここでは無知蒙昧なまま卑怯な売国行為に陥る若者役。



「戦争のない20日間」«Двадцать  дней без войны»

アレクセイ・ゲルマン監督1976

★従軍記者がタシケントで過ごす休暇。再会と別れ。これも渋い。



「わが友イワン・ラプシン」«Мой друг Иван Лапшин»

アレクセイ・ゲルマン監督1984

★ゲルマン監督の父ユーリー・ゲルマンの小説の映画化作品。粛清直前の1930年代前半の気風を伝える。日本ではなかなか伝えられる機会がなかった犯罪ものという点でも貴重。

2011年9月11日日曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年9月版②)


高野史緒編東京創元社2011929日刊行予定2625ISBN978-4488013394

★今世紀の「東欧」ファンタスチカ(空想・幻想文学、といったらいいのでしょうか、“科学”的な面が薄い作品もある)アンソロジー。収録作品は下記の通りで、旧ソ連圏の作品も含まれます。

★前世紀の作品集(古典?)は『ロシア・ソビエトSF傑作集 』『東欧SF傑作集』(ともに上下2巻)。ロシア・ファンタスチカのアンソロジーも邦訳進行中のようです。

収録作品

「ハーベムス・パーパム(新教皇万歳)」ヘルムート・W・モンマース/識名章喜訳(オーストリア )
「私と犬」オナ・フランツ/住谷春也訳(ルーマニア )
「女性成功者」ロクサーナ・ブルンチェアヌ/住谷春也訳(ルーマニア )
「ブリャハ」アンドレイ・フェダレンカ/越野剛訳(ベラルーシ)
「もうひとつの街」ミハル・アイヴァス/阿部賢一訳(チェコ)
「三つの色」シチェファン・フスリツァ/木村英明訳(スロヴァキア)
「カウントダウン」シチェファン・フスリツァ/木村英明訳(スロヴァキア)
「時間はだれも待ってくれない」ミハウ・ストゥドニャレク/小椋彩訳(ポーランド)
「労働者階級の手にあるインターネット」アンゲラ&カールハインツ・シュタインミュラー/西塔玲司訳(東ドイツ)
「盛雲(シェンユン)、庭園に隠れる者」ダルヴァシ・ラースロー/鵜戸聡・訳(ハンガリー)
「アスコルディーネの愛─ダウガワ河幻想─」 ヤーニス・エインフェルズ/黒沢歩訳(ラトヴィア)
「列車」ゾラン・ジヴコヴィチ/山崎信一訳(セルビア)

◇КНИГА(書籍情報2011年9月版①)

ハンドメイド・リトルプレス『ロシア刺繍 ものがたり』
メルスリー刊201191050
★ロシアの古い刺繍図案を復刻した、ロシア刺繍の作品&図案集(別紙付録)。巻頭では、ロシア刺繍研究家・村松香さんが、ロシア刺繍の歴史と魅力を解説。元ネタの図案集は、1955年にロシア(旧ソ連)で発刊された小中学生用の教材とのこと。下記のキットもあります(まだ増えるかも?)

刺繍キットシリーズ
「ロシア刺繍ものがたり・花のがま口ポーチ」

「ロシア刺繍ものがたり・ブラックワークの鳥」

「鳥と花のピンクッション」

出版を記念して、「ときめきのロシア展」及び関連ワークショップがart-bookshop渋谷店で催されます。

◇ЛЕКЦИЯ(講演会情報)ときめきのロシア展関連

ときめきのロシア展関連ワークショップ
定員は各8名。要予約。
西武渋谷店A7階 サンイデー渋谷
(誠に勝手ながら敬称略で)
1.フェルトのマトリョーシカ
講師:北向 邦子
講習費:3,150
持ち物:刺しゅう針、はさみ
9/24()13:30-15:30
9/29()13:30-15:30
*フェルトを使ってかわいいマトリョーシカを作ります。

2.ロシアの絵本とお菓子なお話
講師:中野 由貴
講習費:2,625
持ち物:なし
9/25()13:30-15:30
*お菓子をテーマに、ロシアが舞台の絵本の世界を紹介。ロシアが楽しめるお茶とお菓子つき。

3.みんなの放課後・消しゴムはんこ部「マトリョーシカはんこを彫ろう 」
講師:とみこはん
講習費:1,890
持ち物:カッター(お持ちであればデザインカッター、カッターマット)、筆記用具
デザインカッター、カッター、インクは貸し出しあり。
9/27()18:30-20:00
*消しゴムで作るマトリョーシカのはんこ。



◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)ときめきのロシア展


ときめきのロシア展

9/20()-10/3()

art-bookshop shibuya

西武渋谷店 A7



*現代に引き継がれているロシア刺繍の伝統的な図案を実際の作品と共に紹介したリトルプレス『ロシア刺繍ものがたり』(㈱メルスリー刊)発売を記念し、掲載作品の展示のほか、ロシアのかわいいものたち、雑貨や本を紹介。さらに絵本の紹介やフェルトのマトリョーシカ製作のワークショップがあります(ЛЕКЦИЯで紹介します)。

これは行かなきゃ。
刺繍なんて、もう何年もやっていないし、時々図書館で刺繍の本を借りてくると、同僚たちから「刺繍する時間、どこにあるっていうの?」と笑われるのですが、見るだけでも保養になるでしょ?!