2010年11月23日火曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報) ブラティスラヴァ絵本原画展とチェコの人形劇

開館15周年記念 世界の絵本がやってきた
ブラティスラヴァ世界絵本原画展チェコの人形劇

2010105日(火)-125日(日) 葭川公園・千葉市美術館

★金のりんご賞受賞作品
*パーヴェル・タタールニコフ(ベラルーシ)『アーサー王物語』 紙・水彩
*ボリス・ザビローヒン(ロシア)『ロシアの昔話集』«Русские сказки»アファナーシエフ編2008年 紙・リトグラフ
*マルティナ・マトロヴィチョヴァー(スロヴァキア)『トレーシーの虎』ウィリアム・サロヤン原作2009年 紙・コラージュ・アクリル絵具

★世界の絵本
1.Onu Eedi(エストニア)『エーディおじさん』2006
33アントン・ロモエフАнтон Ломоев(ロシア)『人魚姫』«Русалочка»2009
35タマラ・シュレスト(ベラルーシ)『セルビア童話集』«Мовы ўсяго жысога Сербскія народныя казкі»2007
37Kęstutis Kasparavičius(リトアニア)『ウサギのモルクス・ディディシス』《Kiškis Morkus Didysis2008
ロシア語で「キスキス」は猫への呼びかけなんだけどな。リトアニア語では兎?
39Violeta Dabija(モルドヴァ)『かえるのおばあちゃん』2008

★イジー・トルンカと川本喜八郎による映画のための人形
46男の頭部(「コントラバス物語」)
 アントン・チェーホフ原作のアニメーションのためのパペット。

♪この展覧会は以下のとおり巡回します。
2011312日(土)-417日(日) 飯田市美術博物館・飯田市川本喜八郎人形美術館(同時開催)
2011423日(土)-626日(日) 足利市立美術館
201179日(土)-831日(水) うらわ美術館
(平塚市美術館では今年の717-829日に開催されました。)

簡単な感想は「オデッサ海岸通り」の「アホイ!絵本原画と人形劇 」で。

◇КНИГА(書籍情報2010年11月版⑤)

『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』
斉藤友佳里著文春文庫201011月刊700ISBN: 9784167801113
★毎日新聞書評11/21掲載。単行本『ユカリューシャ―奇跡の復活を果たしたバレリーナ』(世界文化社20025月刊ISBN:9784418025107)の文庫化だが、今年の「オネーギン」公演(タチヤーナ役で主演)の経緯が加筆されている。

『東京大学で世界文学を学ぶ』
辻原登著集英社201011月刊1680ISBN: 9784087753967
★東京大学ってそんな風なブランドなのかしら?と思いますが、それはともかく、講義の目次を見ると、「我々はみなゴーゴリから、その外套の下からやってきた」等々どこかで聞いた台詞が…。

『カザフの子育て―草原と都市のイスラーム文化復興を生きる ブックレット 《アジアを学ぼう⑩》』
藤本透子著風響社201011月刊840ISBN: 9784894897465

『イルクーツク商人とキャフタ貿易 帝政ロシアにおけるユーラシア商業』
森永貴子著北海道大学出版会2010118400ISBN978-4-8329-6730-4

『首にかけたアンナ (チェーホフ・コレクション)
アントン・チェーホフ著エカテリーナタバーフ絵中村喜和訳未知谷201011月刊2100ISBN:9784896423211

『レーニンの再検証―変革者としての真実』
聽涛弘著大月書店20108月刊2310ISBN9784272430871
★最近めっきりロシア・東欧との繋がりが薄くなった日本共産党。しんぶん赤旗を読んでも中身の濃い記事に出会うことが少なくなって結構がっかりしているのですが、この方(字がとっても難しい!)は1960-64年に旧ソ連に留学していたという、恐らく共産党の中でもロシア語に堪能で、ロシア事情にも詳しい人物なのではないかと。

◇КНИГА(書籍情報2010年11月版④)

毎日新聞20101121日「レフ・トルストイ没後100年特集」

*沼野充義「巨編に宿る生命のみずみずしい手触り」
*辻原登「人間業を超えた言語表現の到達点」
*トルストイ文献データベース(日本トルストイ協会)
*栗原小巻「好きなもの」
*「この人・この3冊」山城むつみ選レフ・トルストイ
『文読む月日』(上中下)北御門二郎訳ちくま文庫各1575
『幼年時代』北御門二郎訳講談社1260
『コザック』中村白葉約岩波文庫品切れ

2010年11月22日月曜日

◇КНИГА(書籍情報2010年11月版③)

『断崖』(全5巻)
イワン・ゴンチャロフ著井上満訳岩波文庫
(1)20109月刊882ISBN978-4-00-326067-8
(2)201011月刊1134ISBN978-4-00-326068-5
(3)(未刊)987ISBN978-4-00-375110-7
(4)(未刊)
(5)(未刊)

『磔のロシア スターリンと芸術家たち』
亀山郁夫著岩波現代文庫201011月刊1407ISBN978-4-00-602178-8
20025月に刊行された単行本の文庫化。大仏次郎賞受賞作。

『日露戦争の軍事史的研究』
大江志乃夫著岩波書店201011月復刊(197611月刊)ISBN4-00-001617-2

『オブローモフ主義とは何か? 他1篇』
ニコライ・ドブロリューボフ著金子幸彦訳岩波文庫201011月重版(19754月刊)567ISBN4-00-326101-1
★他1篇は『その日はいつ来るか?』

『とどめの一撃』
マルグリット・ユルスナール著岩崎力訳岩波文庫201011月重版(19958月刊)567ISBN4-00-325981-5
★フランスの女流作家ユルスナールによる、第一次世界大戦~ロシア革命の姉弟と友人の残酷な三角関係もの。

『この人から受け継ぐもの』
井上ひさし著岩波書店20101217日発売予定1365ISBN978-4-00-0022907-4
★吉野作造・宮沢賢治・丸山眞男などとともに、作家井上ひさしが深い関心を寄せたのはアントン・チェーホフ。戯曲『ロマンス』として結実しています。

2010年11月18日木曜日

◇СПЕКТАКЛЬ(演劇情報)

ロシア・オムスク国立第5劇場来日公演「33回の失神」«33 обморока»
アントン・チェーホフ作
フセヴォロド・メイエルホリド構成台本
ユモフ・オレグ演出
11/20(土)-11/23(火・祝) 新宿御苑前・青年劇場スタジオ結

★チェーホフのボードビル「熊」「創立記念日」「結婚申し込み」を「煙草の害について」で繋いだ、メイエルホリドが1935年にメイエルホリド劇場で上演した最後の作品。登場人物がのべ33回失神する。


『煙草の害について』«О вреде табака» 
『熊』«Медведь»
『創立記念日』«Юбилей»
『結婚申込み』«Предложение»

2010年11月14日日曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報) ソ連SF大作映画化作品登場!

新作ロシア映画上映会(第7回)
「収容所惑星2 武力衝突」 «Обитаемый остров: Схватка»
フョードル・ボンダルチュク監督2009
11/20(土)1400 経堂・日ソ会館2
★「第九中隊」のフョードル・ボンダルチュク監督作品。でも、この日付で大丈夫なの、字幕作成の方?!川本喜八郎先生のお別れ会じゃないの!

◇КНИГА(書籍情報2010年11月版②)

 ミハイル・ブルガーコフ著宮澤淳一,大森雅子,杉谷倫枝訳文化科学高等研究院出版局201010月刊2910

ロープシン著川崎浹訳・解説未知谷201010月刊1680
ISBN978-4-89642-320-4 C0098

アレクサンドル・グリーン,ファジーリ・イスカンデール,ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ,インゲボルク・バッハマン,アントニオ・タブッキ著河出書房新社201011月刊2730ISBN:978-4-309-70970-3

2010年11月7日日曜日

◇КНИГА(書籍情報2010年11月版①)

セルゲイ・プロコフィエフ著田代薫訳音楽之友社201010月刊2500+ISBN978-4-276-22661-6
1964年刊『プロコフィエフ 自伝/評論』の新訳版。『プロコフィエフ短編集』をものすほどプロコフィエフは多作な文章家でしたが、映画音楽「アレクサンドル・ネフスキー」・オペラ「セミョーン・コトコ」など自作についても数多く自ら語っています。

プリーモ・レーヴィ著竹山博英訳岩波文庫20109月刊940+ISBN978-4-4-00-327171-1
1998年朝日新聞社から刊行されたものの文庫化。映画「遥かなる帰郷」の原作。ドキュメンタリ映画「プリーモ・レーヴィへの道」も参照。アウシュヴィッツを生き延び、終戦から故郷トリノまで帰郷するまで、9カ月間ポーランド、ソ連(ウクライナ、ベラルーシ)、ルーマニア、ハンガリー、チェコスロヴァキア、オーストリア、ドイツ、再びオーストリア、イタリアを流浪する(させられる)過程の追想記。彼をアウシュヴィッツから解放したソ連の対敗戦国俘虜対策の適当さゆえの、かくも長期間の「遥かなる帰郷」になったにもかからず、システマチックなアメリカの方式よりも無秩序なソ連に親近感を持っているらしいところが謎と言えば謎。

堀江典生編著ミネルヴァ書房20104月刊8400ISBN978-4-623-05752-8
http://www.bossabooks.jp/product.html?asin=4623057526

村松千絵編河出書房新社20107月刊1260ISBN978-4-309-28217-6
http://www.bossabooks.jp/product.html?asin=4309282172
8-9ページの「森の友達」のりす・うさぎ・ことりなど実際のマトリョーシカでは入れ子にならなくて無理なものでも可愛く出来上がる。けれど、実際に作るのは結構難しそうだ。

2010年11月3日水曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報) アントン・チェーホフ原作ロシア名画祭

チェーホフ生誕150周年記念
アントン・チェーホフ原作ロシア名画祭-チェーホフ文学の神髄に迫る-

1128日(日)築地市場・浜離宮朝日ホール 1000開場
1100-「かもめ」«Чайка»ユーリー・カラーシク監督1971
1320-「ワーニャ伯父さん」«Дядя Ваня»アンドレイ・コンチャロフスキー=ミハルコフ監督1971
1525-「小犬を連れた貴婦人」«Дама с собачкой» ヨシフ・ヘイフィッツ監督1960
1710-「六号室」«ПАЛАТА №6»カレン・シャフナザーロフ監督2009

★うっかりして、これについてまだ書いていなかった。チェーホフ漬け、ロシア文芸映画になれる一日。

★シャフナザーロフの新作は、6月のカレン・シャフナザーロフ監督作品映画祭のオープニングで上映されましたが、私は未見。観た人たちは興奮気味に「よかった!」と語っていました。かなり期待できそう。シャフナザーロフ、今まではそんなに好きではなかったのですが、6月の映画祭ですっかり見直しました。<プラスチー、プラシャーイ、アデッサ マーマ(ごめんよ、あばよ、オデッサ・ママ)>の「ジャズメン」、いけてない70年代の青春もの「クリエール(メッセンジャーボーイ)」、その追想編のような「失われた帝国」。甘くて苦いノスタルジーが得難く素敵だ。「ゼロシティー」(固定ファン多し)と「蒼ざめた馬」(なんか、彼、妙に普通になってしまったなと感じた)が合わなかっただけで、実はシャフナザーロフ、結構好きかもしれない。

★「かもめ」のニーナ役は「戦争と平和」のナターシャ、「ひまわり」のマーシャで国際的にも有名なリュドミーラ・サヴェーリエワ。ただ、作品としては傑作とまではいかないと思う。

★「ワーニャ伯父さん」は、出演者がインノケンティ・スモクトゥノフスキー、セルゲイ・ボンダルチュク、イリーナ・クプチェンコとまさに銀河系スター軍団。フェミニズムっぽい味付けが好きなコンチャロフスキー(実生活は??だが)、ここでは典型的スラヴ美人のクプチェンコにソーニャ役を演じさせ、「性格はいいのに、顔さえよければねって言われるの」という台詞を言わせる。うーむ、なんといって突っ込んだらよいのやら。

★「小犬を連れた貴婦人」では、名優バターロフ自らが指名したという、モスクワ国立大学*の学生演劇出身の才媛イヤ・サーヴィナのそこはかとない色香に酔います。彼ら彼女らのような気品のある美男美女俳優は今となっては得難いものとなったか。
*ソ連では演劇・映画界は殆どが専門大学出身のその道のエリートで占められていたので、日本で言えば東京大学にあたるモスクワ国立大学出身の俳優は異色。知っている限りでは他にジャーナリスト学科出身のラノヴォイ(「戦争と平和」のアナトール等軽薄なハンサム役を得意とした)、美術史学科の故セルゲイ・ボドロフ息子(「コーカサスの虜」「チェチェン・ウォー」等)くらいか)

★蛇足ながら原作本を挙げておきます。


◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)「冬の日」

連句アニメーション「冬の日」«Зимние дни»
川本喜八郎監修ユーリー・ノルシュテイン、アレクサンドル・ペトロフ等35人のアニメーター2003年日本
11/7(日)-11/20(土) ラピュタ阿佐ヶ谷「執心と悟り 川本喜八郎の仕事」での上映(14-16日には「冬の日」の上映はありません。)
★去る823日に逝去した、日本が世界に誇る人形作家・アニメーター川本喜八郎の追悼特集。最初にささっと作ってしまった川本さんと、完璧主義者で完成が遅れに遅れ、周囲をやきもきさせたノルシュテインさんの発句→脇句の繋がりが、それでもすごくいいのが不思議だ。ペトロフさんも期限を守らなかったらしい。

「執心と悟り 川本喜八郎の仕事」

2010年11月2日火曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)

プーシキン美術館展 フランス絵画300

201142626) みなとみらい・横浜美術館
→開催見あわせとなってしまいました!
http://www.asahi.com/pushkin2011/

2011 94) 愛知県美術館
2011917124) 神戸市立博物館

→これらの巡回展に関しては、今のところ中止とのお知らせはないようですが、「展予定作品の所蔵者であるプーシキン美術館とロシア連邦文化省から、震災や津波、これに伴う原発事故などの諸状況に鑑み、現時点では日本へ作品を貸し出すことができないという判断が伝えられたため」というのが真実なら、横浜も愛知も神戸も日本なのだから、同様に開催見合わせになりそうな気もします。早く開催が決まりますように!
★ペテルブルグのエルミタージュ美術館と同様、モスクワのプーシキン美術館は西洋絵画の美術館。今回はフランス絵画ということで、アングル、ドラクロワ、ミレー、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、ピカソ、マティス等。ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》は日本初公開。


レンバッハハウス・ミュンヘン市立美術館所蔵 「カンディンスキーと青騎士展」
20101123日(火・祝)~201126日(日)三菱一号館美術館
2011215()417() 愛知県美術館
★もうすぐ開催されます!『青騎士』は邦訳されています。こんな本を刊行してくれるなんて、白水社、偉いですね。三菱一号館美術館展は混むと入館まで長時間待たされますので、日時指定券をお薦めします

春に「マネ展」を観に行った時の写真です。

2010年11月1日月曜日

◇ЛЕКЦИЯ(講演会情報)

(誠に勝手ながら敬称略で)
直前の情報になってしまってすみません。

トルストイ没後100年記念市民フォーラム
「トルストイと過ごす午後」

11/3(祝)1500-1805 三軒茶屋・昭和女子大学学園本部館3階大会議室
参加自由(申込不要・入場無料) ロシア語(通訳付き)及び日本語
1部 座談会「トルストイってどんな人?」(1505-1605
2部 朗読と演奏と映像「甦るトルストイ」(1605-1650
1.作品朗読
『アンナ・カレーニナ』『戦争と平和』、マクシム・ゴーリキー『追憶』から
2.楽曲演奏
 トルストイ作曲「ワルツ」他
3.スライドショウ
3部 ラウンドテーブル「トルストイの現在(いま)」