2015年10月25日日曜日

◆КНИГА黒いロシア 白いロシアーアヴァンギャルドの記憶



ロシア・アヴァンギャルドについての考察も素晴らしい(民衆演劇・街頭芸術と、より通りへ出て、民衆の中の芸術を体現していたという、今実に思い思いのフライヤーやプラカ持参でパレードする人々を目撃して”こんなものだったのかも”と思う)が、著者がジャーナリストとして滞在したペレストロイカ~エリツィン時代のロシア(グラスノスチの変容等)の証言的なエッセイ、レトロスペクティヴ的な諸々、読みやすく深い。
画像が現れないので、ここに貼っておく。

3500円と高価ではあるが、おもしろく、読みやすい。
名著なので、是非多くの人の目に触れてほしいと思う。

昨日は、著者武隈喜一さんによる亡命歌手ヴェルチンスキーについてのレポートが桑野塾であった。
ヴェルチンスキーは革命前のキャバレーで一世を風靡したロマンス歌手、亡命した先々で歌った「長い道を」は世界中でヒット。
その後、ハルビン、上海を経て、ソ連へ帰国。

「長い道を」は私も大好きで、昭和女子大のユーラシアサロンで山之内さんが講師をされたときに、こんなのを書いていた。

オデッサ海岸通り: 長い道を: 年齢がばれてしまうかもしれないが、その曲、私は「花の季節」で習った。 いや、今教科書を広げてみて、何の書き込みもないところをみると、授業ではやらなかったのかもしれない。 でも、私はリコーダーを吹くのが好きだったので、授業でやらなかった曲も、教科書に載っていたのは全部自分なりに...

「黒いロシア」の野蛮な限りには戦慄するしかないが、白いロシア、なのだろうか?「Ⅳ モスクワれとろすぺくてぃぶ」に登場するロシアの人々(古書商、音楽やバレエのコアなファンたち)が微笑ましいし、こんな出会いをされた著者が羨ましい。
とか言いながら、チャイコフスキーコンクールの会場に折り畳み椅子を持ち込んで自信たっぷりに評価を下す「アボーシカおばさん」や「〈マリインスキイ劇場〉の常連たち」で触れられるマハリナファンの強烈な女性に対し、堂々ヤポーンスカヤ・チョーチャの私としては実は似たようなことをしているので呆れるというより苦笑苦笑ですわ。
(開場前に並びそうなイメージフォーラムでの上映初日初回の鑑賞に備えて、真夏だったこともあり、折り畳み椅子持参して、実際使ったことがあるし~まあ、劇場内ではなくあくまで開館前に炎天下の外で待たされているときに折り畳み椅子に腰かけ、日傘さして待っていたのだが~、バレエでも第3幕になったら、空いているいい席に移動して観たことは何度もある。)
それ、別に恐ろしあじゃないですよ、と。


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