2014年5月29日木曜日

◇КНИГА(書籍情報)ロシアのおもてなしは徹底てづくり

『ロシアのパンとお菓子』
荻野恭子著東洋書店1500円+税20145月刊

★荻野先生のこれまでのご著書よりこぶりで使い勝手が良さそうです。

★「パンとお菓子」と言ってもメニューはパン中心。旧ソ連圏にモンゴル・ウイグル・ハルピンも加えたユーラシア各地のパン、そしてピローグ・ピロシキ、それにお茶受けのお菓子のレシピ。

★コラムと「バーブシカの知恵袋」コーナーも充実しています。

★ロシアの主婦の手作りのもてなしの徹底ぶりに感心された由、同感です。タルトの型がなくても手できれいに形を作って焼く、白い紙を折って切ってお菓子の下に敷くレースペーパーを作る等々。

★ロシアの「美味しい」を紹介するシリーズ第一弾。『ロシアのスープ』『ロシアの保存食』と続きます。続刊が楽しみ!!!

★惜しむらくはパスハとハルヴァのレシピがなかったこと。

2014年5月18日日曜日

◇КНИГА(書籍情報)女はつらいよ、しかし


『共産主婦 東側諸国のレトロ家庭用品と女性たちの一日』

イスクラ著社会評論社1900+20143月刊

★見て楽しむ(ちょっと語弊が?)本。作るのは大変だったろうと思います。ここらへんの国々の雑貨のパッケージにはなぜこんなに心惹かれるのだろう?

2014年5月11日日曜日

◇КНИГА(書籍情報) バブリー・バクー

『ゾルゲ、キャビア、アゼルバイジャン 日本人のあまり行かないセレブ・リゾート4 アゼルバイジャン文化観光省公認旅行ガイドブック』

石井至著石井兄弟社201312月刊

★説明は簡潔、写真は美しい。ブログで見かけるような個人旅行記といった雰囲気なのでさらっと読めて楽しめるが、実際に旅行するときにはあくまで参考程度だろう。というか、これを読んで「そうか、アゼルバイジャンに行こう!」という気は起きない。「セレブ・リゾート」ですからね。

★私も知らなかった、「世界で一番バブっていると思う街は(ドバイやドーハではなく)バクーなのだ」という流れ。フレームタワー(2012年完成)やアゼルバイジャンタワー(カスピ海につくる人工島に建設予定)などモスクワのニューシティーをおそらく凌駕する勢いのセレブ&バブリーなパワーが今のこの国にはあるらしい。ほんと、湾岸諸国の雰囲気に酷似している…。そのうち年金リーグもアゼルバイジャンにできるかも。

★お茶について2点指摘しておく。

①「食後は紅茶とフルーツのジャムが一般的だ。ロシアンティーと違ってジャムは紅茶に入れない。」(30頁)ガラスのコップに紅茶、小皿にお茶受けとしてジャム、要するにロシアなどと同じ飲み方なのだね。

②「紅茶にはレモンを入れ、サモバーという湯沸かしポットから湯を注ぐ。」(50頁)←それ、サモワールですね(英文には「use Samovar」とある。なぜ大文字なのかは知らないが)。

★この本の前半はバクー生まれのゾルゲのお話です。

2014年5月6日火曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)贖いゆえに

「被爆者の声をうけつぐ映画祭2014 あの日を忘れない…」(7/3(木)~7/6(日) 御茶ノ水・明治大学リバティータワー)

「サクリファイス(犠牲)」«Жертва»
エマニュエラ・アンドレオリ&ウラジーミル・チェルトコフ監督2003年スイス
7/5(土)1645~プログラム5での上映(「ブラジルに生きるヒバクシャ」との二本立て)

★同名のタルコフスキーの遺作は崇高な?ファンタスチカ(でも核絡みだからこういう映画祭で上映してもおかしくはない)。これは24分の短編ドキュメンタリーで、チェルノブイリ事故の直後の事故処理作業員たちのその後を追ったもの。

★チラシではチェルトコフ監督の名前が「ウラディミール」表記になっています。Владимир Чертков

★他のプログラムは松谷みよ子原作の「ふたりのイーダ」(1976年)「TOMORROW明日」(1988年)「千羽づる」(1989年神山征二郎監督によるリメイク作品)などの劇映画、被爆者や福島の原発事故のドキュメンタリー映画等。

★ロシア人はもしかしたらжертва(あがない)という言葉を好むというかよく使うものなのかもしれません。検索するとやたらこういうタイトルの作品が挙がってくるのです(割と最近の作品に多い。)タルコフスキーだけではなかった。