2010年12月31日金曜日

◇ВЫСТАВКА ロシア舞台芸術のモダニズムとアヴァンギャルド

★3月21日(月)までは臨時休館!

演博コレクションに見るロシア舞台芸術のモダニズムとアヴァンギャルド(仮)
201131()327()
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

★入場無料。でも会期が短いので要注意。「メイエルホリドの演劇と生涯 没後70年・復権55年」

◆КНИГА(書籍情報2010年12月版④)

『ロシア・アヴァンギャルドの世紀 構成×事実×記録』
江村公著水声社201012月刊4200ISBN978-4-89176-819-5

★水声社のサイトでは「12月24日頃発売」とかなっていますが、無事発売されています。
 アレクサンドル・ロトチェンコ中心。

『ユーラシアの交通・交易と唐帝国』
荒川正晴著名古屋大学出版会2010129975ISBNコード 978-4-8158-0651-4
★高い!

◇КИНОФИЛЬМ オーケストラ!凱旋アンコール

「オーケストラ!」Le Concert/Концерт
ラデュ・ミヘイレアニュ監督2009年フランス映画
2011年1月2日(日)-1月14日(金) 渋谷・Bunkamuraル・シネマ

2010年度ル・シネマ№1大ヒット特別上映
お正月特別価格1000円均一

確かに大入りでしたからね。
それにしても、ル・シネマの稼ぎ頭になるとは。
ストーリーに無理はあっても、通俗的におもしろい作品ではありました。

Windows Liveより
 
2010年5月2日
なぜか混んでいる「オーケストラ!」

なぜかやたら混んでいた。
混んでいるという噂は聞いていた。ほんとだった。
11時頃ル・シネマに行って、既に12:45と15:20の回が満席。
17:55の回の整理券(49番)を取って、某催しに。
 全回満席。


この監督さんはルーマニア出身。
そのせいか、ブレジネフ時代にボリショイを追われたユダヤ人演奏家たちの急造偽物オーケストラという設定だが、この映画全体で印象深いのはユダヤよりロマ。
音楽でも、キャラクターでも。
大衆的で、リャザーノフとかガイダイとかの作風です。

まあ、一言で言うとオケ版「少林サッカー」です。
「メジャーリーグ」
「がんばれ!ベアーズ」
「クール・ランニング」
この手の映画は多いんじゃないかな、その気になれば天も味方してハッピーエンドっていう。
いろいろと、「そんなわけないだろ!」と突っ込みたくなる部分もあろうかと(特に演奏経験のある方は)思いますが、これは何しろ「少林サッカー」ですから、割り切って笑い飛ばしましょう。
実によく笑わせてくれます。
私が一番笑ったのはロシアマフィアがサッカークラブ買収に関心を示しているところです(当然)。
「サッカークラブは儲かるが、音楽は無料でダウンロードできる時代だから(オーケストラへの援助は)無駄。」
「パリサンジェルマンがいいんじゃないか?メッシをFWに」
フランスのサッカークラブ・・・いや、金もうけにはならなそうだが・・・。
特にPSGはフーリガン対策が大変そうだ。
元支配人(辣腕だがやや時代に取り残されている)イワンさん、出番は少ないが強力な奥さんのイリーナ、強烈な演奏のロマのヴァイオリニストのヴァシリーが魅力的!
それに比べるとフランス側は・・・大変おとなしいです。
こだわりの秘密が、途中からばればれになってきて、且つラストであからさまに言ってしまうのだが、ほのめかすくらいで留めておいて欲しかった。
が、まあ全体に大衆的な作品なので仕方ないかもしれません。

5月5日追記:
最も印象深かったロマのヴァイオリニストのヴァシリーを演じたのは、プログラムには名前が出ていませんでしたが、
ヴァシーリ・アリビネト(Василь Альбинет)
という方だそうです。

2010年12月26日日曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)バルネット・ロンム・ゲルマン

御茶ノ水・アテネフランセ文化センター
2011121日(金)・122日(土)・225日(金)

121日(金)17:10-
「青い青い海」«У самого синего моря»
ボリス・バルネット監督1935年ソ連
18:30-講義「ボリス・バルネット論」

122日(土)15:40-
「一年の九日」«9 дней одного года»
ミハイル・ロンム監督1961年ソ連
17:30-講義「ミハイル・ロンム論」

225日(金)16:30-
「わが友イワン・ラプシン」«Мой друг Иван Лапшин»
アレクセイ・ゲルマン監督1984年ソ連
18:30-講義「アレクセイ・ゲルマン論」

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報) 現代フランス映画の中のロシア

201117日(金)-227日(日) 京橋・東京国立近代美術館フィルムセンター
旧ソ連絡みと思われる作品は以下のとおり。

エマニュアル・ファンキエル監督1999年フランス
★ロシア人ヴェラ役のエステール・ゴランタンは演技経験がなかったとのこと。

ファビアン・オンテニエンテ監督2002年フランス
★サッカー選手を夢見るハンガリー移民青年とエージェントたちの痛快コメディーだという。いかにも私好みっぽい題材で、楽しみ。出演者のウラディーミル・ヨルダノフはロシア的な名前だ。

フランシス・ニールセン監督2003年フランス
★原作セルゲイ・バルキンのアニメーション作品。帝政時代に活躍した老将軍が犬と出会って生きがいを見出す。同時上映「井戸」。

セバスチャン・リフシッツ監督2004年フランス
★「ニノの空」や「モンディアリート」みたいな社会的弱者が絆を築いていくストーリーらしい。その一人がロシアからの不法移民ミハイル。

2010年12月21日火曜日

◆КНИГА(書籍情報2010年12月版③)

山城むつみ著講談社201011月刊3780
ISBN978-4-06-216650-8

サーシャ・ソコロフ著東海晃久訳河出書房新社201012月刊2520
ISBN 978-4-309-20553-3

パスカル・ラパテ著・絵 古永真一訳アレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイ原作
国書刊行会2010年10月刊
ISBNコード 978-4-336-05280-3
バンドデシネ・コレクション(おふらんすの、少々敷居の高いマンガ?)

2010年12月17日金曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)日本発の「チェブラーシカ」

「チェブラーシカ」«Чебурашка»
中村誠監督2010年日本
(同時上映「くまのがっこう~ジャッキーとケイティ」)
 12/18(土)~東宝系
ロシア語版(フルバージョン80分)はTOHOシネマズ六本木ヒルズ、その他の上映館は日本語版(63分)の上映。
但し、一部日にちによって日本語字幕版(←字幕だけれど63分なのではないかな?)
★ロマン・カチャーノフ監督作品の第1話のリメイクと、サーカス修行をする新作がある。
 カチャーノフ作品の上映をどこかでやって!!!

2010年12月13日月曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)

現代ロシア石板画展

20101213日(月)-1218日(土)1100-1800(最終日-1700
神保町・文房堂ギャラリー(文房堂ビル4階)
入場無料
★今日から開催されています。土曜日に行くしかないか。

2010年12月12日日曜日

◇КНИГА(書籍情報2010年12月版②)

新刊とは限らず、雑誌『UP 201012月号』(東京大学出版会刊)の豊崎由美「下半期のガイブンおすすめ市」に挙げられた書籍を。

『ハルムスの世界』
ダニイル・ハルムス著増本浩子、ヴァレリー・グレチュコ訳ヴィレッジブックス20106月刊1995ISBN:978-4863322554
『シャルダムサーカス』『ズディグルアプルル ハルムス100話』(ともに田中隆訳未知谷20109月及び6月刊)も今年刊行されました。一種のブームか。

『おっぱいとトラクター』
マリーナ・レヴィツカ著青木純子訳集英社文庫20108月刊840ISBN: 9784087606096
★原題は『ウクライナにおけるトラクター小史』。この方がいいですね。BATEボリソフとか(←ベラルーシだが)のトラクターが思い出されるじゃないですか。それはともかくウクライナ出身の両親を持ち、ドイツの難民キャンプ生まれの著者の親族が体験した話が下敷きになっている小説。映画化の話もあるベストセラーだそうだ。毎日新聞10/26夕刊「読書日和」掲載。
(この項再録)

『宇宙飛行士 オモン・ラー』
ヴィクトル・ペレーヴィン著尾山慎二訳群像社20106月刊1575 ISBN978-4-903619-23-1
(この項再録)
★そうこうしている間に、ペレーヴィンの新訳『寝台特急黄色い矢』が出てしまった。

というわけで
『寝台特急 黄色い矢』
ヴィクトル・ペレーヴィン著中村唯史・岩本和久訳201012月刊1890ISBN978-4-903619-24-8

2010年12月11日土曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報) 今年も年の瀬は「運命の皮肉」!

今年の年の瀬も「運命の皮肉」
但し、リャザーノフのではなく、続編の方です。
新作ロシア映画上映会
1218日(土)1815 春日町・文京シビックセンター4階会議室A
「続・運命の皮肉」«Ирония судьбы. Продолжение»
チムール・ベクマムベトフ監督2007

★ソ連からロシアになっても変わらない、毎年年末に必ずTV放映され、皆が観る映画、それが「運命の皮肉 またはいい湯でしたね«Ирония судьбы, или С легким паром!»エリダル・リャザーノフ監督1975年)。
それから30年、彼らの子どもたちの、同じような入れ違いラブ・コメディーが「続・運命の皮肉」«Ирония судьбы. Продолжение»
正編については簡単に紹介し、続編の上映を行います。
正編のヒロインがかなりけばいおばさんになっているのはショック。
いずれにしても、ロシア映画ファン必見。毎年必見。以上!

2010年12月9日木曜日

◇КНИГА(書籍情報2010年12月版①)黒田本ですよ


黒田龍之助著現代書館2200+201012月刊ISBN978-4-7684-5647-7
★黒田先生、久々の現代書館。
 私はやはり『羊皮紙に眠る文字たち』や『外国語の水曜日』の、初期黒田本が好きですので、待ってました!と言いたい。
 ドラガン・クロダのネタ帳?!黒田先生によれば、「私の父(噺家の柳亭燕路師匠、『子ども寄席』『子ども落語』シリーズの著者)は学者のような落語家と言われたけれど、私は落語家のような学者なんです」
 それだけに、ノートの余白に黒田先生の雑談エピソードをメモしていると叱られました。
 「誰とは言いませんけど、駄洒落で単語を暗記しましょうなんておっしゃる先生がいらっしゃいますけど、私はお薦めしません。蚊に喰われてカニークリканиклыなんてね。発音悪くなりますからね!」とか。
 黒田先生以上に凄まじかったのがコースチャくんだったけど、懐かしいな。

2010年12月8日水曜日

◇ЛЕКЦИЯ(講演会情報)ユーラシア・サロン第6回・第7回

ユーラシア・サロンはユーラシアブックレットの著者を囲むお茶会です。

三軒茶屋・昭和女子大学1号館44s02教室
申込:ユーラシア・サロン運営委員会にメール eurasia_salon_cla@yahoo.co.jp
またはユーラシア研究会にFAX03-5477-7612

参加費:1500円(ユーラシア研究所会員・学生1100円)
※茶菓・ブックレット代込(当該ブックレット持参すると、他のブックレットどれか1冊をいただける)

*6回 2011212日(土)1400-1600
『近代美術の都モスクワ』岡部昌幸

*7回 201135日(土)1400-1600
『ロシア建築3つの旅』浜野アーラ

2010年12月4日土曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)シネマヴェーラ渋谷で「ストライキ」

「ストライキ」«Стачка»
セルゲイ・エイゼンシュテイン監督1924

シネマヴェーラ渋谷「映画史上の名作番外編 サイレント小特集Ⅱ」での上映

12/13(月) 1225/1510/1755/2040 「渇仰の舞姫」(英語字幕)との二本立て
12/14(火) 1100/1335/1610/1845/2120 「魔術師」との二本立て

★「アトラクションのモンタージュ」理論に基づいて作られた、エイゼンシュテインの長編第一作。
   助監督のアレクサンドロフも出演しています。

2010年11月23日火曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報) ブラティスラヴァ絵本原画展とチェコの人形劇

開館15周年記念 世界の絵本がやってきた
ブラティスラヴァ世界絵本原画展チェコの人形劇

2010105日(火)-125日(日) 葭川公園・千葉市美術館

★金のりんご賞受賞作品
*パーヴェル・タタールニコフ(ベラルーシ)『アーサー王物語』 紙・水彩
*ボリス・ザビローヒン(ロシア)『ロシアの昔話集』«Русские сказки»アファナーシエフ編2008年 紙・リトグラフ
*マルティナ・マトロヴィチョヴァー(スロヴァキア)『トレーシーの虎』ウィリアム・サロヤン原作2009年 紙・コラージュ・アクリル絵具

★世界の絵本
1.Onu Eedi(エストニア)『エーディおじさん』2006
33アントン・ロモエフАнтон Ломоев(ロシア)『人魚姫』«Русалочка»2009
35タマラ・シュレスト(ベラルーシ)『セルビア童話集』«Мовы ўсяго жысога Сербскія народныя казкі»2007
37Kęstutis Kasparavičius(リトアニア)『ウサギのモルクス・ディディシス』《Kiškis Morkus Didysis2008
ロシア語で「キスキス」は猫への呼びかけなんだけどな。リトアニア語では兎?
39Violeta Dabija(モルドヴァ)『かえるのおばあちゃん』2008

★イジー・トルンカと川本喜八郎による映画のための人形
46男の頭部(「コントラバス物語」)
 アントン・チェーホフ原作のアニメーションのためのパペット。

♪この展覧会は以下のとおり巡回します。
2011312日(土)-417日(日) 飯田市美術博物館・飯田市川本喜八郎人形美術館(同時開催)
2011423日(土)-626日(日) 足利市立美術館
201179日(土)-831日(水) うらわ美術館
(平塚市美術館では今年の717-829日に開催されました。)

簡単な感想は「オデッサ海岸通り」の「アホイ!絵本原画と人形劇 」で。

◇КНИГА(書籍情報2010年11月版⑤)

『ユカリューシャ 不屈の魂で夢をかなえたバレリーナ』
斉藤友佳里著文春文庫201011月刊700ISBN: 9784167801113
★毎日新聞書評11/21掲載。単行本『ユカリューシャ―奇跡の復活を果たしたバレリーナ』(世界文化社20025月刊ISBN:9784418025107)の文庫化だが、今年の「オネーギン」公演(タチヤーナ役で主演)の経緯が加筆されている。

『東京大学で世界文学を学ぶ』
辻原登著集英社201011月刊1680ISBN: 9784087753967
★東京大学ってそんな風なブランドなのかしら?と思いますが、それはともかく、講義の目次を見ると、「我々はみなゴーゴリから、その外套の下からやってきた」等々どこかで聞いた台詞が…。

『カザフの子育て―草原と都市のイスラーム文化復興を生きる ブックレット 《アジアを学ぼう⑩》』
藤本透子著風響社201011月刊840ISBN: 9784894897465

『イルクーツク商人とキャフタ貿易 帝政ロシアにおけるユーラシア商業』
森永貴子著北海道大学出版会2010118400ISBN978-4-8329-6730-4

『首にかけたアンナ (チェーホフ・コレクション)
アントン・チェーホフ著エカテリーナタバーフ絵中村喜和訳未知谷201011月刊2100ISBN:9784896423211

『レーニンの再検証―変革者としての真実』
聽涛弘著大月書店20108月刊2310ISBN9784272430871
★最近めっきりロシア・東欧との繋がりが薄くなった日本共産党。しんぶん赤旗を読んでも中身の濃い記事に出会うことが少なくなって結構がっかりしているのですが、この方(字がとっても難しい!)は1960-64年に旧ソ連に留学していたという、恐らく共産党の中でもロシア語に堪能で、ロシア事情にも詳しい人物なのではないかと。

◇КНИГА(書籍情報2010年11月版④)

毎日新聞20101121日「レフ・トルストイ没後100年特集」

*沼野充義「巨編に宿る生命のみずみずしい手触り」
*辻原登「人間業を超えた言語表現の到達点」
*トルストイ文献データベース(日本トルストイ協会)
*栗原小巻「好きなもの」
*「この人・この3冊」山城むつみ選レフ・トルストイ
『文読む月日』(上中下)北御門二郎訳ちくま文庫各1575
『幼年時代』北御門二郎訳講談社1260
『コザック』中村白葉約岩波文庫品切れ