2011年1月31日月曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年1月版④)

『ナボコフ 訳すのは「私」 自己翻訳がひらくテクスト』
秋草俊一郎著東京大学出版会20112月中旬刊3990ISBN978-4-13-086038-3

『現代ロシアの貧困研究』
武田友加著東京大学出版会777020112月中旬刊ISBN978-4-13-046105-4

2011年1月30日日曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)「皇帝の愛したガラス」展

エルミタージュ美術館所蔵「皇帝の愛したガラス」展

北海道立近代美術館  201162()73()
東京都庭園美術館    2011714()925()
岡山県立美術館    2011101()116()
群馬県立近代美術館  20111223()2012325()

2011年1月22日土曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)さしさわりあり!ロシア映画特集

渋谷・アップリンクで

1/22(土)-2/4(金)「さしさわりのある映画特集」
「ボヴァリー夫人」«Спаси и сохрани(Мадам Бовари) »
アレクサンドル・ソクーロフ監督1989
1/25(火)1400 1/30(日)1130 2/2(水)1630
★イメージフォーラムで見逃した方はどうぞ。濡れ場が多すぎで、繰り返して観ようとは思えない「ボヴァリー夫人」だった。若い愛人役は「静かなる一ページ」の人でした。

3/19(土)-4/1(金)「100年のロシア ロシアからソビエトへ ソビエトからロシアへ」
上映予定作品
「エルミタージュ幻想」«Русский ковчег»アレクサンドル・ソクーロフ監督2002
「牡牛座 レーニンの肖像」«Телец» アレクサンドル・ソクーロフ監督2001
「こねこ―旅するチグラーシャ」«Котёнок»イワン・ポポフ監督1996年ロシア
動くな、死ね、甦れ!」«Замси УмриВоскресни!»ヴィターリー・カネフスキー監督1989
「アンナ・パブロワ」«Анна Павлова»エミーリ・ロチャヌー監督1983年ソ連・イギリス
★何故にアテネ・フランセの「ソビエト映画アーカイヴス スペシャル」と同時期にやるのでしょうか?!

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)アテネでソビエト映画・デラックス

(追記)
再上映の日程決まりました。
2011年6月17日(金)-6月30日(木)
3/31まで上映中止!!

3/18・3/19の上映は中止になりました!

御茶ノ水・アテネ・フランセ文化センター
3/18(金)-3/31(木)「ソビエト映画アーカイヴス スペシャル」
318日(金)
1700「恋するものたち」«Влюбленные»
エリヨル・イシムハメドフ監督1969年ウズベクフィルム
★アナスタチヤ・ベルチンスカヤ、ロジオン・ナハペートフらが出演のほろ苦青春映画。なぜか最近になって続編が作られました。
1900「がんばれかめさん」«Внимание, черепаха!»
ロラン・ブィコフ監督1970年モスフィルム
★ブィコフ監督はなんとおばあさん役で出演(しかも2役)。小学校生が「サモーヒナ」「マヌキャン」と苗字で呼び合うのにびっくりしました。若干動物虐待気味の男の子たちだが、そういうのもらしいと言えばらしい。
319日(土)
1520「愛していたが結婚しなかったアーシャ」«История Аси Клячиной, которая любила, да не вышла замуж»
アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー監督1967年モスフィルム
★ニキータ・ミハルコフの兄で、タルコフスキーのクラスメイトだったアンドレイは、彼らよりずっとフェミニストっぽい(現実には34回結婚経験ありだが)。農村の逞しいヒロイン、アーシャを「小犬を連れた貴婦人」でデビューしたモスクワ国立大学卒の才媛イヤ・サーヴィナが汚れ役厭わず好演。
1730「赤いカリーナ」«Калина Красная»
ヴァシーリー・シュクシーン監督1973年モスフィルム
322日(火)
1700「灰色の狼」«Лютый»
トロムーシュ・オケーエフ監督1973年カザフフィルム
★アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー脚本。原題の«Лютый»は「凶暴な」という意味で、「第九中隊」でアルトゥール・スモリヤニノフくんが演じた新兵の通称でもありました。
1900「白い汽船」«Белый пароход»
ボロトベク・シャムシエフ監督1976年キルギスフィルム
★原作はチンギス・アイトマートフの『白い汽船』(理論社)。「灰色の石の中で」キルギス版か。幸薄い子どもが出てくると泣けてしまう。
323日(水)
1700「七発目の銃弾」«Седьмая пуля»
アリ・ハムラーエフ監督1973年ウズベクフィルム
★アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー脚本
1900「ジプシーは空にきえる」«Табор уходит в небо»
エミーリ・ロチャヌー監督1976年モスフィルム
★原作はマクシム・ゴーリキーの『マカール・チュードラ』。ベッサラビア(モルドヴァ)のロマの男女の激しい愛の行方を描いた、圧倒的に美しい映画。ヒロイン、スヴェトラーナ・トマの、顔の1/3くらいはあろうかという黒い大きな瞳、迫力の美貌には誰もがノックアウトされることでしょう。
324日(木)
1630「エバンス博士の沈黙」«Молчание доктора Ивенса»
ブデミール・メタリンコフ監督1973
★エバンス博士を演じるのは「戦争と平和」などの監督セルゲイ・ボンダルチュク。なのだが、いつも思うけど、この人は監督に専念した方がいいと思う(「廣野」を除けば)。
1830「スタフ王の野蛮な狩り」«Дикая охота короля Стаха»
ヴァレーリー・ルビンチク監督1979年ベラルーシフィルム
★原作はウラジーミル・コロトケヴィチの同名の小説で、黒田龍之助先生はかつて「日本語訳をする本を一冊選べと言われたら迷わず『スタフ王』!」とおっしゃっていました。原作者自ら映画製作にかかわっており、橇遊びのシーンを観るだけでも価値のある、それはもう美しい映画!杉浦かおりさんによれば、「スリーピー・ホロウ」はこれのリメイクだと言う。
325日(金)
1650「みなし児」«Подранки»
ニコライ・グベンコ監督1977
1900「追憶のアリア」«И жизнь, и слезы, и любовь»
ニコライ・グベンコ監督1984
2本とも未見なのですが、グベンコはゴルバチョフ時代に映画省のトップ(つまり大臣)になりました。ずっと昔には「私は二十歳」で主人公の友人コーリャ役を演じていました。
326日(土)
1510「ドストエフスキーの生涯の26日」«Двадцать шесть дней жизни Достоевского»
アレクサンドル・ザルヒ監督1980
★ドストエフスキー、人生最大の危機!というときに、若い速記者アンナが現れ、口述速記を受け持ち、26日で『賭博者』を完成。やがて二度目の妻になり、大作家を支える。という、有名なエピソードを扱っています。
1700「モスクワは涙を信じない」«Москва слехами не верит»
ウラジーミル・メニショフ監督1980
★メニショフは最近「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」でアニメ萌えの闇のお頭を嬉々として演じていましたが、実は監督として結構なヒットメーカーなのであった。この作品は日本でもかなりのヒットだったらしく、シネマとうきゅうスクエアで公開時、立ち見も出たという話。
329日(火)
1620「新しい家族」«Мужики!»
イスクラ・バービッチ監督1981年モスフィルム
1830「ふたりの駅」«Вокзал для двоих»
エリダル・リャザーノフ監督1982年モスフィルム
★ニキータ・ミハルコフは「悪役」で出演していますが、彼が演じると憎みきれないろくでなしになります。ヒロイン、リュドミーラ・グルシェンコの魅力も格別。
330日(水)
1600「炎628«Иди  и смотри»
エレム・クリモフ監督1985年ベラルーシフィルム、モスフィルム
★星の数ほどある戦争映画の中でも、ハティニの虐殺を描いたこれが間違いなく一番恐ろしい。観ていて腐臭が漂ってくる映画はこれしかない。辛くても、一生に一度は絶対に見るべき映画。但しデートには向かない。主人公フリョーラ役のアレクセイ・クラフチェンコは、その辺のちょいワル少年風でいい味を出していたものの、到底役者には向かないだろうと思ったのに、今ではいっぱしのアクション俳優になっている。世の中わからないものです…。
1900「翌日戦争が始まった」«Завтра была война»
ユーリー・カラ監督1989年ゴーリキー映画スタジオ
★「モスクワは涙を信じない」のヒロイン、カーチャを演じたヴェーラ・アレントワがここでは無気力教師役。これも「モスクワは涙…」と同様三人娘ものなのだけど、男性の存在感がいよいよもって薄い。
331日(木)
1640「若き作曲家の旅」«Путешествие молодого композитора»
ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督1985年グルジアフィルム
★オタール・チヘイゼの小説『名もなき風』を脚色したもの。
1900「死者からの手紙」«Письма мёртвого человека»
コンスタンチン・ロプシャンスキー監督1986
★ソ連初世界滅亡映画(ソ連は全人類が目指すべき理想の社会であったので、世界が滅びるなどという未来は許されるものではなかったのだ。が、ペレストロイカでそういった規制も多少緩んで製作されたSF作品)。優しい老人を演じるロラン・ブィコフは「外套」のアカーキー・アカーキエヴィチ、「アンドレイ・ルブリョフ」の旅芸人等々を演じた名優で、「がんばれかめさん」「転校生レナ」等のジュブナイル映画を監督した。

2011年1月15日土曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年1月版③)

『レーニンの墓 ソ連帝国最期の日々』
デイヴィッド・レムニック著三浦元博訳白水社20111月下旬刊行(予定)上・下各3360
上巻ISBN978-4-560-08107-5
下巻ISBN978-4-560-08108-2

『[新釈]白痴 書かれざる物語』
三田誠広著作品社2800+201012ISBN 978-4-86182-312-1
★『[新釈]罪と罰 スヴィドリガイロフの死』(20099月刊)に続いての刊行。

2011年1月12日水曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)オクサナ・アキンシナ出演作品上映

「リリア 4-ever«Лиля навсегда»
ルーカス・ムーディソン監督2002年スウェーデン・デンマーク
渋谷・ユーロスペース
2/12()11:00
2/14()16:00
2/18()19:00

★「北欧映画の1週間 トーキョーノーザンライツフェスティバル2011」での上映。セルゲイ・ボドロフ息子の監督作品«Сёстры»2001年)でデビューしたオクサナ・アキンシナ出演2作目の作品。彼女はこの後「ボーン・スプレマシー」«Превосходство Борна»や「モスクワ・ゼロ」«Москва-ноль»など国外でも活躍しています。
   

2011年1月9日日曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)お帰りテルミン、さよなら恵比寿

「テルミン」«Лев Термен- электронная одиссея»
スティーブン・M・マーティン監督1993年アメリカ

恵比寿ガーデンシネマ
1月24日()1900
1月26日()1120
1月27日()1630

128日で閉館する(休館と言っているが)恵比寿ガーデンシネマのさよなら企画「恵比寿ガーデンシネマ・ベストセレクション」での上映。

2011年1月5日水曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)お帰りチグラーシャ

名画座特別企画<ねこシネマ>二本立て
122日(土)-128日(金)
「こねこ―旅するチグラーシャ」«Котёнок»
イワン・ポポフ監督1996年ロシア
「私は猫ストーカー」との二本立て。「ねこフォト割引」あり。
★むちゃくちゃ懐かしいですね!こねこのチグラーシャ、ボス猫ワーシャ、芸達者なイザウラ(シャム)とジンジン(白黒)、シャフ(ペルシャ)、プショーク(お隣猫)、ペルシーク(キオスク猫)、ブドゥライ、ルイジック、その他大勢猫。猫映画の決定版と言っても過言ではありません。あと、フセヴォロド・プドフキンの「チェス狂」も猫猫映画です。同時上映してほしかった。

2011年1月4日火曜日

◇КНИГА(書籍情報2011年1月版②)

『ロシア経済の成長と構造 ―― 資源依存経済の新局面 ―― 』
久保庭真彰著岩波書店2011126日刊5250ISBN978-4-00-009918-9

『断崖』(全5巻)
イワン・ゴンチャロフ著井上満訳岩波文庫
(1)20109月刊882ISBN978-4-00-326067-8
(2)201011月刊1134ISBN978-4-00-326068-5
(3)20101216日刊987ISBN978-4-00-326069-2
(4)2011114日 刊945ISBN978-4-00-376010-9
(5)(未刊)

『日本渡航記 ―― フレガート「パルラダ」号より ――』
イワン・ゴンチャロフ著井上満訳岩波文庫1941年刊(2011223日ごろ重版でき)903ISBN4-00-326061-9

昨年夏には下記の通り、
『平凡物語(上)』2010618日刊行882ISBN978-4-00-326065-4
『平凡物語(下)』2010716日刊行987ISBN978-4-00-326066-1
(全二冊)イワン・ゴンチャロフ著井上満訳岩波文庫
というわけで、岩波のゴンチャロフの著作で品切れとなっているのは『オブローモフ』ですが、重版されないでしょうか。

『暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う―』
福田ますみ著新潮社201012月刊1680ISBN978-4-10-303672-2

『井上ひさし全芝居 その七』
井上ひさし著新潮社201012月刊6300ISBN 978-4-10-302332-6
★本土決戦をめぐる、陸軍、海軍、外務省入り乱れての騒動を描く喜劇「箱根強羅ホテル」、ボードビルを想い続けたチェーホフの生涯を描いた「ロマンス」等を収録。

◇КНИГА(書籍情報2011年1月版①)

『粛清(仮題)』
Sofi Oksanen
★朝日新聞104日付Globe「パリの書店から」欄にPurgeとして掲載されていた、エストニアの血を引くフィンランド人女性作家ソフィ・オクサネンの作品『粛清(仮題)』は、読売新聞1214日付の記事によれば、邦訳が出されるそうです!しかも大手出版社だと。著名な詩人ヤーン・カプリンスキは「わけがわからない」と評しているそうですが。

『ショパン 炎のバラード』
ロベルト・コトロネーオ著川島英昭訳集英社201010月刊2940ISBN: 9784087734713
★ショパンのバラード第四番」に異稿が存在し、ナチスによってパリからベルリンに持ち出されたそのショパン自筆の異稿楽譜が、赤軍によってモスクワに運ばれ、音楽院の教授の弟子によって盗み出され、彼が収容所に送られる寸前に友人の手に渡り、その友人からアルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリと思しきこの本の語り手に託されるという現代史のストーリー部分と、ショパンの生きた時代とが絡み合います。映画化されるのか? 毎日新聞1226日書評欄掲載。

2011年1月1日土曜日

◇СПЕКТАКЛЬ(演劇情報) サドゥール「不思議なバーバ」

名取事務所・シアターX提携公演
ロシア現代劇連続上演シリーズ第3作「不思議なバーバ」«Чудная баба»

201129日~13日 両国・シアターX
作:ニーナ・サドゥール«Чудная баба»
翻訳・演出:丸知亜矢
  
★第1作アルブーゾフ「私のかわいそうなマラート」・第2作ヴァンピーロフ「ホテル・タイガ」に続く第3作(第10作まで予定)。以降ワシーリイ・シュクシン/アレクサンドル・ガーリン/リュドミーラ・ペトルシェフスカヤ/ナジェージダ・プトゥーシュキナ/アナトーリイ・キム/アレクセイ・カザンツェフ/ニコライ・コリャーダが控えています。

◇СПЕКТАКЛЬ(演劇情報) ミュージカル「アンナ・カレーニナ」

ミュージカル「アンナ・カレーニナ」«Анна Каренина»
【東京公演】20101225-201126
日比谷・シアタークリエ
原作:レフ・トルストイ『アンナ・カレーニナ』
脚本・作詞:ピーター・ケロッグ
音楽:ダン・レヴィーン
修辞・訳詞:小池修一郎
演出:鈴木裕美
出演:一路真輝/瀬奈じゅん(Wキャスト) 伊礼彼方 葛山信吾 遠野あすか 春風ひとみ 山西惇 山路和弘 他

原作本:『アンナ・カレーニナ』レフ・トルストイ著望月哲男訳光文社古典新訳文庫2008

★宝塚で「アンナ・カレーニナ」をやったときヴロンスキーが「ヴィロンスキー」などとなっていてなんだかなあ…だったので、チェックしてみたらヴロンスキーは大丈夫。でもオブロンスキーの愛称が「スティーバ」(ステパンの愛称なのでスチョーパです!)、リョーヴィンが「レイヴィン」。やっぱりなんだかなあ…。