2011年1月22日土曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)アテネでソビエト映画・デラックス

(追記)
再上映の日程決まりました。
2011年6月17日(金)-6月30日(木)
3/31まで上映中止!!

3/18・3/19の上映は中止になりました!

御茶ノ水・アテネ・フランセ文化センター
3/18(金)-3/31(木)「ソビエト映画アーカイヴス スペシャル」
318日(金)
1700「恋するものたち」«Влюбленные»
エリヨル・イシムハメドフ監督1969年ウズベクフィルム
★アナスタチヤ・ベルチンスカヤ、ロジオン・ナハペートフらが出演のほろ苦青春映画。なぜか最近になって続編が作られました。
1900「がんばれかめさん」«Внимание, черепаха!»
ロラン・ブィコフ監督1970年モスフィルム
★ブィコフ監督はなんとおばあさん役で出演(しかも2役)。小学校生が「サモーヒナ」「マヌキャン」と苗字で呼び合うのにびっくりしました。若干動物虐待気味の男の子たちだが、そういうのもらしいと言えばらしい。
319日(土)
1520「愛していたが結婚しなかったアーシャ」«История Аси Клячиной, которая любила, да не вышла замуж»
アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー監督1967年モスフィルム
★ニキータ・ミハルコフの兄で、タルコフスキーのクラスメイトだったアンドレイは、彼らよりずっとフェミニストっぽい(現実には34回結婚経験ありだが)。農村の逞しいヒロイン、アーシャを「小犬を連れた貴婦人」でデビューしたモスクワ国立大学卒の才媛イヤ・サーヴィナが汚れ役厭わず好演。
1730「赤いカリーナ」«Калина Красная»
ヴァシーリー・シュクシーン監督1973年モスフィルム
322日(火)
1700「灰色の狼」«Лютый»
トロムーシュ・オケーエフ監督1973年カザフフィルム
★アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー脚本。原題の«Лютый»は「凶暴な」という意味で、「第九中隊」でアルトゥール・スモリヤニノフくんが演じた新兵の通称でもありました。
1900「白い汽船」«Белый пароход»
ボロトベク・シャムシエフ監督1976年キルギスフィルム
★原作はチンギス・アイトマートフの『白い汽船』(理論社)。「灰色の石の中で」キルギス版か。幸薄い子どもが出てくると泣けてしまう。
323日(水)
1700「七発目の銃弾」«Седьмая пуля»
アリ・ハムラーエフ監督1973年ウズベクフィルム
★アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー脚本
1900「ジプシーは空にきえる」«Табор уходит в небо»
エミーリ・ロチャヌー監督1976年モスフィルム
★原作はマクシム・ゴーリキーの『マカール・チュードラ』。ベッサラビア(モルドヴァ)のロマの男女の激しい愛の行方を描いた、圧倒的に美しい映画。ヒロイン、スヴェトラーナ・トマの、顔の1/3くらいはあろうかという黒い大きな瞳、迫力の美貌には誰もがノックアウトされることでしょう。
324日(木)
1630「エバンス博士の沈黙」«Молчание доктора Ивенса»
ブデミール・メタリンコフ監督1973
★エバンス博士を演じるのは「戦争と平和」などの監督セルゲイ・ボンダルチュク。なのだが、いつも思うけど、この人は監督に専念した方がいいと思う(「廣野」を除けば)。
1830「スタフ王の野蛮な狩り」«Дикая охота короля Стаха»
ヴァレーリー・ルビンチク監督1979年ベラルーシフィルム
★原作はウラジーミル・コロトケヴィチの同名の小説で、黒田龍之助先生はかつて「日本語訳をする本を一冊選べと言われたら迷わず『スタフ王』!」とおっしゃっていました。原作者自ら映画製作にかかわっており、橇遊びのシーンを観るだけでも価値のある、それはもう美しい映画!杉浦かおりさんによれば、「スリーピー・ホロウ」はこれのリメイクだと言う。
325日(金)
1650「みなし児」«Подранки»
ニコライ・グベンコ監督1977
1900「追憶のアリア」«И жизнь, и слезы, и любовь»
ニコライ・グベンコ監督1984
2本とも未見なのですが、グベンコはゴルバチョフ時代に映画省のトップ(つまり大臣)になりました。ずっと昔には「私は二十歳」で主人公の友人コーリャ役を演じていました。
326日(土)
1510「ドストエフスキーの生涯の26日」«Двадцать шесть дней жизни Достоевского»
アレクサンドル・ザルヒ監督1980
★ドストエフスキー、人生最大の危機!というときに、若い速記者アンナが現れ、口述速記を受け持ち、26日で『賭博者』を完成。やがて二度目の妻になり、大作家を支える。という、有名なエピソードを扱っています。
1700「モスクワは涙を信じない」«Москва слехами не верит»
ウラジーミル・メニショフ監督1980
★メニショフは最近「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」でアニメ萌えの闇のお頭を嬉々として演じていましたが、実は監督として結構なヒットメーカーなのであった。この作品は日本でもかなりのヒットだったらしく、シネマとうきゅうスクエアで公開時、立ち見も出たという話。
329日(火)
1620「新しい家族」«Мужики!»
イスクラ・バービッチ監督1981年モスフィルム
1830「ふたりの駅」«Вокзал для двоих»
エリダル・リャザーノフ監督1982年モスフィルム
★ニキータ・ミハルコフは「悪役」で出演していますが、彼が演じると憎みきれないろくでなしになります。ヒロイン、リュドミーラ・グルシェンコの魅力も格別。
330日(水)
1600「炎628«Иди  и смотри»
エレム・クリモフ監督1985年ベラルーシフィルム、モスフィルム
★星の数ほどある戦争映画の中でも、ハティニの虐殺を描いたこれが間違いなく一番恐ろしい。観ていて腐臭が漂ってくる映画はこれしかない。辛くても、一生に一度は絶対に見るべき映画。但しデートには向かない。主人公フリョーラ役のアレクセイ・クラフチェンコは、その辺のちょいワル少年風でいい味を出していたものの、到底役者には向かないだろうと思ったのに、今ではいっぱしのアクション俳優になっている。世の中わからないものです…。
1900「翌日戦争が始まった」«Завтра была война»
ユーリー・カラ監督1989年ゴーリキー映画スタジオ
★「モスクワは涙を信じない」のヒロイン、カーチャを演じたヴェーラ・アレントワがここでは無気力教師役。これも「モスクワは涙…」と同様三人娘ものなのだけど、男性の存在感がいよいよもって薄い。
331日(木)
1640「若き作曲家の旅」«Путешествие молодого композитора»
ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督1985年グルジアフィルム
★オタール・チヘイゼの小説『名もなき風』を脚色したもの。
1900「死者からの手紙」«Письма мёртвого человека»
コンスタンチン・ロプシャンスキー監督1986
★ソ連初世界滅亡映画(ソ連は全人類が目指すべき理想の社会であったので、世界が滅びるなどという未来は許されるものではなかったのだ。が、ペレストロイカでそういった規制も多少緩んで製作されたSF作品)。優しい老人を演じるロラン・ブィコフは「外套」のアカーキー・アカーキエヴィチ、「アンドレイ・ルブリョフ」の旅芸人等々を演じた名優で、「がんばれかめさん」「転校生レナ」等のジュブナイル映画を監督した。

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