チェーホフ生誕150周年記念
アントン・チェーホフ原作ロシア名画祭-チェーホフ文学の神髄に迫る-
11月28日(日)築地市場・浜離宮朝日ホール 10:00開場
①11:00-「かもめ」«Чайка»ユーリー・カラーシク監督1971年
②13:20-「ワーニャ伯父さん」«Дядя Ваня»アンドレイ・コンチャロフスキー=ミハルコフ監督1971年
③15:25-「小犬を連れた貴婦人」«Дама с собачкой» ヨシフ・ヘイフィッツ監督1960年
④17:10-「六号室」«ПАЛАТА №6»カレン・シャフナザーロフ監督2009年
★うっかりして、これについてまだ書いていなかった。チェーホフ漬け、ロシア文芸映画になれる一日。
★シャフナザーロフの新作は、6月のカレン・シャフナザーロフ監督作品映画祭のオープニングで上映されましたが、私は未見。観た人たちは興奮気味に「よかった!」と語っていました。かなり期待できそう。シャフナザーロフ、今まではそんなに好きではなかったのですが、6月の映画祭ですっかり見直しました。<プラスチー、プラシャーイ、アデッサ マーマ(ごめんよ、あばよ、オデッサ・ママ)>の「ジャズメン」、いけてない70年代の青春もの「クリエール(メッセンジャーボーイ)」、その追想編のような「失われた帝国」。甘くて苦いノスタルジーが得難く素敵だ。「ゼロシティー」(固定ファン多し)と「蒼ざめた馬」(なんか、彼、妙に普通になってしまったなと感じた)が合わなかっただけで、実はシャフナザーロフ、結構好きかもしれない。
★「かもめ」のニーナ役は「戦争と平和」のナターシャ、「ひまわり」のマーシャで国際的にも有名なリュドミーラ・サヴェーリエワ。ただ、作品としては傑作とまではいかないと思う。
★「ワーニャ伯父さん」は、出演者がインノケンティ・スモクトゥノフスキー、セルゲイ・ボンダルチュク、イリーナ・クプチェンコとまさに銀河系スター軍団。フェミニズムっぽい味付けが好きなコンチャロフスキー(実生活は??だが)、ここでは典型的スラヴ美人のクプチェンコにソーニャ役を演じさせ、「性格はいいのに、顔さえよければねって言われるの」という台詞を言わせる。うーむ、なんといって突っ込んだらよいのやら。
★「小犬を連れた貴婦人」では、名優バターロフ自らが指名したという、モスクワ国立大学*の学生演劇出身の才媛イヤ・サーヴィナのそこはかとない色香に酔います。彼ら彼女らのような気品のある美男美女俳優は今となっては得難いものとなったか。
(*ソ連では演劇・映画界は殆どが専門大学出身のその道のエリートで占められていたので、日本で言えば東京大学にあたるモスクワ国立大学出身の俳優は異色。知っている限りでは他にジャーナリスト学科出身のラノヴォイ(「戦争と平和」のアナトール等軽薄なハンサム役を得意とした)、美術史学科の故セルゲイ・ボドロフ息子(「コーカサスの虜」「チェチェン・ウォー」等)くらいか)
★蛇足ながら原作本を挙げておきます。
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