2016年10月2日日曜日

◆КНИГА『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』


一人一人の人生が重たいが、救われる明るさがある。
特に最後のカザフスタン住まいのロシア人、訪ねてくる日本人同窓生を寮歌をずっと歌って待っていてくれたり、若者の応援に乗り出したりと、心温まる。
読んでよかった。
記憶し、伝えていくべき歴史だ。
(けれど、この本が出たことによって、身に何らかの不幸が降りかかる人がありませんように、と祈る。)

「建国大学は徹底した『教養主義』でね」と百々は学生に語りかけるような口調で私に言った。「在学時には私も『こんな知識が社会に役に立つもんか』といぶかしく思っていたが、実際に鉄砲玉が飛び交う戦場や大陸の冷たい監獄にぶち込まれていた時に、私の精神を何度も救ってくれたのは紛れもなく、あのとき大学で身につけた教養だった。」(101p)
この言葉は大切にしたい。

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