2015年9月23日水曜日

◇КНИГА ミステリヤ・ブッフ

今は亡きベニサン・ピットで観たことがあったが、こんなに薄くて短い戯曲だったのか?と意外な印象。

2015年9月22日火曜日

◇КИНОФИЛЬМ「ボリショイ・バビロン」

ル・シネマで上映中の「ボリショイ・バビロン」
今日は火曜のサービスデイ且つ休日なので、午前の回から満席御礼が続いていました。

映画を観ても、あの、セルゲイ・フィーリン硫酸襲撃事件の真相は謎のままだ。
(ドミトリチェンコが真犯人とは到底思えないという印象を受けるような作り。)
バレエのシーンは沢山あってよかった。眼福!

登場人物は
・マリーヤ・アレクサンドロワ
・マリーヤ・アラシュ
・アナスタシヤ・メーシニコワ
(プログラムではアナスタシアとなっていたが、マリーヤならアナスタシヤだろう)
・勿論セルゲイ・フィーリン
・パーヴェル・ドミトリチェンコ
・ボリス・アキーモフ 今はバレエ教師だが、お手本で踊っているのが息を呑むほど上手い!
・スヴェトラーナ・ザハーロワ(インタビューはなかったと思う)
・ニコライ・ツィスカリーゼ
・アレクサンドル・ブドベルグ(ボリショイ議長)
・ウラジーミル・ウーリン(新総裁)
・ロマン・アブラモフ(いわくありげな愛好家、ボリショイのファン)
・メドヴェさん(ロシア首相)

というわけで、フィーリンの不在中に芸術監督代行になったガリーナ・ステパネンコは全然出てこなかったし、言及すらなかったのは大いに不満だ。

まあ、ボリショイは有名だし、政権との結びつきも強いけれど、今ではマリインスキーにぐんと引き離されてしまっていて、フィーリンの事件ですらもしかして話題づくりじゃないかと邪推されかねないような体たらく。無論映画中ではマリンスキーのことは一切触れない(他のバレエ団のことはフィーリン及びウーリンの前職場モスクワ音楽劇場バレエ団以外話題にならない)。

あと、プログラムは800円と高額だが、中身はそれだけのことがあるので買わざるを得ない。

 
ロビーにはマリーヤ・アレクサンドロワ直筆サイン入りポスターが展示されている
 
 
 
 

2010年8月撮影ボリショイはまだ改修中でした。
クレーンが見えている。
 
予告には来年1月公開の「ロパートキナ 孤高の白鳥」の映像が流れ、もううっとり!
楽しみだ。
今、ロビーにはロパートキナの直筆サイン入りトウシューズが展示されている。
踊る世界遺産ロパートキナが!と思うと、ぞくぞくする。


 

2015年9月10日木曜日

КНИГА ウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日

ウクライナのロシア語作家クルコフのマイダン騒動中の日記だったが、4月下旬で終わっているので、5月2日のオデッサの虐殺をどう書いてあるのかを気にかけていた私にはその点がっかり。というより、そこそこおもしろい小説を書く人でも日記を読んでそのままおもしろいというわけではないのだとわかった。
ロシア系であるゆえに、かもしれないが、ウクライナ統一を願い、ロシア陰謀論を頭から信じている風があり、皮肉である。

ちょっと気になったのは、3月30日の俳優アンドレイ・パーシンの反プーチン発言に関する記載。パーシンの両親はザポロージエ在住で、そのためか、彼は非常に不穏当な発言をしている。
対して、『ナイト・ウォッチ』のウクライナ系作家セルゲイ・ルキヤネンコは、その出自にもかかわらず、あるいはそれゆえに、ロシアにおいてアンチマイダンの態度をとっているという。
ロシアとウクライナの間で、不幸で複雑な状況が生じている。

まあ、人の日記を読んでも、客観的な状況分析ができているわけでもなく、そんなにおもしろくはなかった、というのが率直な感想だ。
期待値が高かっただけに、映画「トライブ」に続いて、またまたウクライナ物にはがっかり。群像社の『ウクライナから愛をこめて』(オリガ・ホメンコ)もつまらなかったしなあ。