2015年3月28日土曜日

◆КИНОФИЛЬМオスタップ・ベンデル、イタリア映画祭に参上!!!「幸せの椅子」

イタリア映画祭は地道に長年5月の大型連休中に有楽町朝日ホールで良作を上映し続けていて、限りなく羨ましく思っている。
私にとっての今年の狙いはこれ。

「幸せの椅子」
«Не в стульях счастье»
”La sedia della felicità”
カルロ・マッツァクラーティ監督2013年イタリア
①5/1(金)13:10~ 有楽町朝日ホール
②5/5(火・祝)15:45~(短編の併映あり) 有楽町朝日ホール

朝日新聞社から送られてきたイタリア映画祭のチラシ。
プログラムAの「幸せの椅子」の紹介を読むと、おおこれは!イリフ&ペトロフ作稀代のペテン師オスタップ・ベンデルが活躍する名作「十二の椅子」の翻案ものではないか!と嬉しくなった。
キューバ映画祭2009で、巨匠トマス・グティエレス・アレアによる「十二の椅子」も上映があった。ネップ期のソ連南部(オデッサ?)の猥雑とした雰囲気の原作を、革命直後のキューバに舞台を移し、ラストも野球がらみに変えて明るくさわやかでキューバらしさを醸し出していた。それもまたよろし。
本家ソ連はコメディーの大家レオニード・ガイダイ作品が燦然と輝く。
そして今度は、イタリアでリメイクされた(ремейк наших «12 стульев»,«12 стульев» по-итальянски.)というわけで。
この作品の監督さんカルロ・マッツァクラーティКарло Маццакуратиは大変残念なことに2014年1月に57歳の若さで亡くなってしまい、本作が遺作となってしまった。
イタリア映画祭ではもう一本「ラ・パッショーネ」も上映される。


2015年3月27日金曜日

◆КНИГА『放浪の聖画家ピロスマニ(集英社新書ヴィジュアル版)』

ピロスマニの生涯に沿って、次に絵に描かれた対象別に、彼の絵を紹介・解説している。著者の思いがそれぞれにこもっていて心打たれる。ピロスマニの映画は何度も観たし、彼の絵も展覧会で何度か観たけれど、黒いキャンバスを使っていたとは知らなかった。映画ではいかにも浮世離れした天才という感じだったが、実際繊細な神経を持つ大変人だったようだ。新書なので絵は小さいが、いたしかたないだろう。
シェンゲラーヤの伝記映画の情報も勿論書かれている(パラジャーノフの方があまり言及されていない。)

2015年3月24日火曜日

◆КНИГАプーシキンさん、こんにちは!『スペードのクイーン/ベールキン物語』

新鮮で、さらさらと読みやすいプーシキン。こんなプーシキンは初めて。「新訳」というと、妙にやわらかく、現代風に”狙って”しまい、かえって不自然で残念や訳になりがちだが(沼野充義先生のチェーホフはその類)この本は素晴らしい。ベールキンについての解説も役立った。

2015年3月22日日曜日

◆КНИГА観光ガイドにはなりそうな『母なるヴォルガ ロシア史をたどる川旅』

ヴォルガ沿岸の地域史かと思ったが、観光ガイドって感じ。あまり専門的に掘り下げていなくて、クルーズの時の参考程度に、というものだ(必需品が何かとかには役立ちそうだ)。何よりショックだったのはサマーラをガン無視していること!「ロシア史をたどる」という副題なのにですよ!!ヴォルガ・ドイツ人に関してはやや詳しめ。クルーズで立ち寄るところには結構猫がおわしますようで(写真あり)。