2013年7月23日火曜日

◇КНИГА(書籍情報)ドイツという隣国


『マグノリアの眠り』
エヴァ・バロンスキー著松永美穂訳岩波書店24152013730日刊行予定
ISBN978-4-00-024817-4

★下記のような冒頭は、ジャンヌ・モロー主演の映画「クロワッサンで朝食を」を思わせるものだ(旧ソ連構成国から«ヨーロッパ»の国々へ看護師・介護士・家政婦などの女性労働者が流出しているのだろうか)が、ロシアとドイツには戦争という過去がつきまとう。

 以下は岩波書店のHPからの引用。
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高齢のヴィルヘルミーネを介護するために,ロシアからドイツにやってきたイェリザヴェータ.まったく接点のなかった二人であったが,ともに第二次大戦末期の独ソ戦がもたらした忌まわしい記憶を胸に秘めていた.そして,一本の電話をきっかけに,その記憶がうごめきだす――.ドイツの新進作家がすべての女たちに捧げる鎮魂歌.


2013年7月19日金曜日

◇КНИГА(書籍情報)スターリン時代の家族史の一例、二例…

その1ロシア
『クコツキイの症例 ある医師の家族の物語』(上下巻)
リュドミラ・ウリツカヤ著日下部陽介訳群像社20137
(上巻)1890円 ISBN978-4-903619-42-2
(下巻)1525円 ISBN978-4-903619-43-9
★ロシアのブッカー賞受賞作。

その2ラトヴィア
『ダンスシューズで雪のシベリア』
サンドラ・カルニエテ著黒沢歩訳新評論20138月刊予価3990
ISBN978-4-7948-09479-6

その3エストニア(既刊)
『粛清』
ソフィ・オクサネン著上野元美訳早川書房20122月刊2415
ISBN978-4-15-209272-4
★以前の紹介記事はこちら

2013年7月7日日曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)夏休み横浜ミュージアム巡り


76日から始まった横浜美術館(みなとみらい駅)でプーシキン美術館展を観よう!(916日まで)

プーシキン美術館展でフランス美術を堪能したら(ベラルーシ出身のマルク・シャガールの作品もある)、ちょっと足を伸ばしてシベリアのマンモス&岩壁画を観に行こう。東京方面からだと東急のらいチケットで巡ればお得ですね。

 

1.特別展マンモスYUKA~シベリアの永久凍土から現れた少女マンモス~
2013713日(土)~916日(月・祝) みなとみらい駅・パシフィコ横浜展示ホールA(横浜美術館からだと駅の反対側、動く歩道伝いに56分?)

★マンモスというと、昨年度までのNHKTVロシア語講座のシベリアシリーズでやっていたヤクーツク(東洋顔のサーシャさんが案内役だった)の博物館に展示されていたのを思い出されます。

★チケットは少々高価!但し、名まえ(イーミャ)に「ゆ」と「か」の両方入っている人(「ゆか」「ゆうか」「ゆたか」「ゆかり」「ゆりか」「ゆかこ」「ゆみか」「ゆめか」「ゆいか」「まゆか」「みゆか」「たかゆき」「ゆきたか」「かつゆき」「ゆきかつ」等々←いろいろ考えてみた)にはYUKA割あり。

こちらではなぜか「少女マンモス」ではなくて「少年マンモス」ですって。

 

YUKA割なし、入場料高いよ、という方には…

 

2.横浜ユーラシア文化館の夏休み特別企画
201379日(火)~916日(月・祝) 日本大通り駅・横浜ユーラシア文化館(横浜美術館からはみなとみらい駅から二駅、日本大通り駅3番出口に隣接している)

2階常設展示室(一部)
夏休み特別企画 特別公開「シベリアの岩壁画拓本」
★観覧料は一般200円、小・中学生100

1階図書コーナー
夏休み特別企画 体験コーナー「マンモスの牙にさわってみよう!」
ワークショップ「シベリアの古代アートをうつそう!」(会期中の土日祝)
★観覧料は無料!撮影も可!

 



◇КНИГА(書籍情報)ソ連崩壊後のラスプーチン


『病院にて ソ連崩壊後の短編集』
ワレンチン・ラスプーチン著大木昭男訳群像社20135月刊ISBN978-4-903619-40-8

★年金生活者が入院先で元エリート官僚の同室者とTVをつける、つけないでやや大人げない争いをする表題作・貧困ゆえに正規の葬儀ができずに友人の手を借りて空き地に母を葬る元賄い婦とその周辺の人々を描く『あの同じ穴の中へ』・二度の結婚に失敗して結婚披露宴スピーチで愛を説く落ちぶれインテリの倦怠が描かれる『新しい職業』の3編。

★巻末に訳者による「ポスト・ソビエト時代の文学状況とワレンチン・ラスプーチン」と題する解説があり、ソローキンやペレーヴィンの話題作について「果たしてこれらが後世に残るような作品となるか疑問である」とし、一方ラスプーチンのような保守派の方が「国民の思考・感情に根ざしている」「重みがあり」「ナロードの立場に立った創作活動のなかにこそ未来がある」と書かれている。私もソローキンやペレーヴィンは決して好きではないし、ラスプーチンのこの3編はソ連解体時の庶民生活の破壊状況が如実に表れていてある意味衝撃的で、実に読む意義があったと痛感した。でも、ラスプーチンの手法を古いなあ、相変わらずだなあと感じたのも事実で(『病院にて』などはソルジェニーツィンを読んでいるような気になった)、「これじゃない今のロシア」も当然あるだろうという気がしてならなかった。

2013年7月6日土曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)コクテベリへの道


「コクテベリへの道」«Коктебель»

アレクセイ・ポポグレプスキー&ボリス・フレーブニコフ監督2003
713()1815~ 春日・文京シビックセンター3階会議室A
エイゼンシュテイン・シネクラブ7月例会での上映

★ゼロ年代のロシア、新世代の映画人によるロードムービーの佳作を字幕・解説付きで。

◇КНИГА(書籍情報)チェルノブイリお散歩ガイド??


『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1

東浩紀編ゲンロン20137
ISBN-13: 978-4907188016

★映画「故郷よ」(旧題「失われた大地」、«Земля забвения/Земля забуття»ミハル・ボガニム監督)でヒロインがプリピャチのガイドをしているが、実際結構流行っている?あくまで“ダーク”ツーリズム・ガイドだ。


『3・11とチェルノブイリ法 再建への知恵を受け継ぐ』
尾松亮著東洋書店20133月刊1890ISBN978-4864590761

2013年7月3日水曜日

◇КНИГА(書籍情報)格好のモスクワお散歩ガイド


『路上のミュージアム モスクワのモニュメントが秘めた物語』

宮﨑朋菜・鈴木玲子・豊田菜穂子著群像社20136月刊ISBN978-4-903619-41-5

★モスクワの通りや広場にある有名人の彫像などのモニュメントを、クレムリン周辺・アルバート街やトヴェルツカヤ通りなどの都心(初級編)→地下鉄やバスで巡るモスクワ各地区(中級編)→電車に乗ってクール・ロシアのキャラクターに会いに行くモスクワ郊外(上級編)に分けて、略図と写真(モノクロなのが残念)入りで紹介する優れもの。とってもコンパクトで持ち歩くのにもぴったり。

「こんな本が欲しかった!」「ペテルブルグ編もお願い!!!」と思わずにいられません。

★こんなに観て廻れるのは留学などでしばらく滞在している人でないと無理っぽい。懐かしいクール・ロシアのキャラクターたちに会える上級編のラメンスコエにいきなり挑戦したいけど…。佐藤千登勢先生のご著書によって、人気キャラがいるのは知っていたけれど、こんなにですか?!

ノヴォデヴィチの「かもさん、おとおり」の一群も勿論紹介されていますし、このあいだ桑野塾でレポートされた地下鉄メンデレーエフスカヤ駅の野良犬マリチク君の像にも言及があります。
 
 
 

★惜しむらくはヴィクトル・ツォイについての記載(46頁)で「主演した映画『僕の無事を祈ってくれ』や『針』は、…」とあるけれど、別の作品なのではなく、邦題『僕の無事を祈ってくれ』の原題が«игла»(針、ここでは麻薬の注射針のこと)なんですよね。

2013年7月1日月曜日

◆ПЕРЕДАЧА(放送予定)「エルミタージュ幻想」


プレミアムアーカイブス ハイビジョンスペシャル「エルミタージュ幻想」
アレクサンドル・ソクーロフ監督

201375日(金)NHK BSプレミアム  900分~1045

★字幕ではなくて吹替かもしれません。年末の放映は吹替えでした。映画は90分なので、残り15分は解説だと思われます。