『廃墟のテクスト 亡命詩人ヨシフ・ブロツキイと現代』
竹内恵子著成文社2013年3月刊3570円ISBN978-4-915730-96-2 C0098
★惹かれるのは表紙と口絵にある愛猫ミシシッピを抱いた詩人の写真。《Полтора кота》(一猫半、猫1.5匹)のとは別の猫なのだろうけど。
★本文は真面目にブロツキーの詩を「ローマ」「廃墟」「帝国」などのキーワードを軸に丹念に解釈していくもの。アメリカでのプロツキーが一定の成功を収めながらも、アメリカを物質的には豊かだが文学的教養に乏しいと看做して、その文学的貧困解消の運動に乗り出した(が上手くいかなかった)そのわけを文学とりわけ詩文芸に最高の価値を置くロシア的なセンスを持ち続けていたからではという指摘が印象に残る。
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