2013年6月30日日曜日

◇КНИГА(書籍情報)詩人と亡命と望郷と愛猫と


『廃墟のテクスト 亡命詩人ヨシフ・ブロツキイと現代』

竹内恵子著成文社20133月刊3570ISBN978-4-915730-96-2 C0098

★惹かれるのは表紙と口絵にある愛猫ミシシッピを抱いた詩人の写真。Полтора кота(一猫半、猫1.5匹)のとは別の猫なのだろうけど。


★本文は真面目にブロツキーの詩を「ローマ」「廃墟」「帝国」などのキーワードを軸に丹念に解釈していくもの。アメリカでのプロツキーが一定の成功を収めながらも、アメリカを物質的には豊かだが文学的教養に乏しいと看做して、その文学的貧困解消の運動に乗り出した(が上手くいかなかった)そのわけを文学とりわけ詩文芸に最高の価値を置くロシア的なセンスを持ち続けていたからではという指摘が印象に残る。

2013年6月29日土曜日

◇КНИГА(書籍情報)ツェルカッチ(サーカス野郎)!


『サーカスは私の〈大学〉だった~〈私の大学〉テキスト版』

大島幹雄著こぶし書房20132月刊ISBN9784875592723本体1,800円+税

★既にいろいろな新聞雑誌に書評がでて評判になっている(例えば読売新聞)が、確かに掛け値なしにおもしろい!懐かしかったのはウクライナの「叫ぶマイム」=ミミクリーチ!チラシ、とっておくものだなあ。彼らのCDも久しぶりに聴いた。しかし、この本の表紙にあしらわれている写真に写った女性クラウンのオクサーナさんが乳がんで亡くなっていることを大島さんのブログで知って悲しくなった。
 

 

2013年6月22日土曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)ジャンヌ・モロー、85歳。エストニア人監督が撮る


「クロワッサンで朝食を」

«Эстонка в Париже»(Une estonienne à Paris)

イルマル・ラーグ監督フランス・エストニア・ベルギー2012年フランス語・エストニア語
720日~ シネスイッチ銀座

★原題は「パリのエストニア女」なのに、邦題ではエストニア色を消しておふらんすっぽさを出しています。エストニアの新鋭イルマル・ラーグИльмар Рааг監督がジャンヌ・モローЖанна Мороをエストニア出身の気難しい老婦人役、エストニアの映画界からは家政婦役のライネ・マギЛайне Мяги、それにイタ・アリフレドヴナ・エヴェルИта Альфредовна Эверを起用。

 

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)いよいよもうすぐ!チェブ&ゲーナ

チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち
20130712日〜0901日 八王子市夢美術館

観覧料はかなり良心的ですね(中学生以下無料)。
ただ、これまで巡回してきた会場より狭いので、展示には苦心を重ねることになったそうです。

ロマン・カチャーノフさん
 
 


◇ВЫСТАВКА(プーシキン美術館展 フランス絵画300年)

プーシキン美術館展 フランス絵画300
2013426日(金)~623日(日)愛知県美術館
76日(土)~916日(月・祝)横浜美術館
928日(土)~128日(日)神戸市立博物館

今週末に愛知が終了、7月6日から横浜が始まります。
2011年開催予定が、
(2010年冬にドガ展で横浜美術館に行った時の予告ポスターです。)

東日本大震災と原発事故のためにいったん中止になり、ようやく開催の運びとなったものであるためか、事前の広告に力が入っているような。

こちらはJR渋谷駅の駅看板ですが、

 
 
 

東京メトロや私鉄の駅、地下道でも、そこここで見かけます。

こちらは2011年夏撮影のモスクワ・プーシキン美術館。
但し救世主教会向かいの新館。
中には入っていません。

右の絵は、都美術館での展覧会の時の目玉、マティスの金魚





2001年だったか、静岡県立美術館に来たことがありましたよね?
叔母から招待券をもらって観に行きました(静岡県立美術館はとてもいいところにある)。
2005年の都美術館でのプーシキン美術館展もあったなあ。

楽しみ。

7月6日、横浜美術館での初日、「夜間特別観覧会」に参加しました。
«特別観賞会»であるため、特別に撮影許可がおり、写真をとることもできました。
(但し、フラッシュ撮影・ストロボ、三脚使用は不可。また会場風景としての撮影なので、展示作品1点を撮ることはできません。)

せっかく撮影許可がおりているので、写真を撮り、音声ガイド(水谷豊さん)も聴きながらの1時間半の鑑賞でしたが、「もっともっと観たいから、もう一回観に来なければ」というのが最大の感想です。

 レクチャールームでミニレクチャー



 
 


 

 
 


感想は後で「オデッサ海岸通り」の方に書く予定です。
もう一回行くつもりですし。

※結局、3回観に行くことになった。

2013年6月21日金曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)巨匠たちの師匠レフ・クレショフ祭り


モンタージュ理論を生み出した男―レフ・クレショフ傑作選

8月中旬~渋谷・ユーロスペース(レイトショー予定)
朗報:ユーロスペースでの上映は終了しましたが、バウスシアターで引き続き上映されています!!
9/14(土)~9/20(金) 吉祥寺・バウスシアター
 

「ボリシェヴィキの国におけるウエスト氏の異常な冒険」«Необычайные приключения Мистера Веста в стране большевиков»
レフ・クレショフ監督1924

★タイトルを見たら観たくなるでしょ?!ボリス・バルネット、フセヴォロド・フドプキンが俳優として出演している楽しい映画。ヒロインは監督夫人のアレクサンドラ・ホフロヴァ。

「掟によって」«По закону»
レフ・クレショフ監督1926

★ヴラジーミル・フォーゲリ主演のサスペンスもの。他の出演者もセルゲイ・コマロフ、アレクサンドラ・ホフローワ、ポルフィーリー・ポドベードらお馴染みの面々。

「二人のブルディ」«Два-будбвс-два»
レフ・クレショフ監督1929«Два-будбвс-два»

★道化師出演のサーカス映画。バルネットの「レスラーと道化師」を思い出させます。

★関連情報「クレショフとエイゼンシュテイン」
 8月17日(土)18:15~ 春日・文京シビックセンター4階会議室A
 エイゼンシュテイン・シネクラブ8月例会

2013年6月3日月曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)バルネット名作劇場


「国境の町」«Окраина»1933年ソ連

シネマヴェーラ渋谷「映画史上の名作9」での上映
727日(土)「幸運の星」(フランク・ボーゼジ監督1929年アメリカ)との二本立て
82日(金)「第十七捕虜収容所」(ビリー・ワイルダー監督1953年アメリカ)との二本立て

★この作品はバルネットの中でも悲劇性が強くギャグもやや滑りがちではありますが、素朴な中に反戦の芽生えが窺えます。ヒロインのクジミナは当時の監督夫人。

2013年6月1日土曜日

◇КНИГА(書籍情報)バレエのレジェンド!


『二十世紀の10大バレエダンサー』
村山久美子著東京堂出版225020133月刊ISBN9784490208214

★サッカー選手でも「10大スター」を選ぶのは困難だ。だから、10大ダンサーを選ぶのも大変だろう。昔は映像が残っていないのだし、異論反論は必至・・・だが、著者が選んだ10人は以下のとおり。
  ウリヤーナ・ロパートキナ
  ウラジーミル・マラーホフ
  シルヴィ・ギエム
   ファルフ・ルジマートフ
   ミハイル・バリシニコフ
   ジョルジュ・ドン
   ルドルフ・ヌレエフ
   マイヤ・プリセツカヤ
   ガリーナ・ウラーノワ
   ワツラフ・ニジンスキー

 さすがにここに残ったのは超大物ばかり。アンナ・パヴロヴァは19世紀のスターと言うことになるのだろうか。

◆ПЕРЕДАЧА(放送予定)ディートリッヒのエカチェリーナ


「恋のページェント」«Кровавая императрица»
JV・スタンバーグ監督1934
6/3(月)27:3029:20 WOWOWシネマ(BS

★マレーネ・ディートリッヒМарлен Дитрихがエカテリーナ2世を演じる。映像美が楽しめそう(未見)。このコンビは「嘆きの天使」«Голубой ангел»1930)、「モロッコ」«Марокко»1930)、「上海特急」«Шанхайский экспресс»1932)といった名作を残しました。