2016年3月21日月曜日

◆КНИГА『ユダヤ人虐殺の森―リトアニアの少女マーシャの証言』


リトアニア出身の作家マリア・ロリニカイテによる『マーシャの手記』に沿ったノンフィクションである。

先日特集上映で観たクロード・ランズマンのドキュメンタリー映画「ショア」や「ソビブル、1943年10月14日午後4時」では、絶滅収容所におけるウクライナ兵士のナチス・ドイツ以上の憎まれぶりが目についた。
この本によれば、彼らはウクライナがドイツに占領され捕虜になってナチス協力者となった義勇兵で、制服の色から「黒の連中」と呼ばれた監視員で親衛隊員以上に粗暴で恐ろしかったと収容所の生存者の多くが証言しているという。

強制収容所の体験の証言を読むのは勿論心が痛むが、それ以上に解放後ビリュニュスに戻ってから「ユダヤ人全員が殺されなかったのは残念」という町の人の言葉、「抵抗せず収容所送りになった、ナチス・ドイツの言いなりになった、同じ民族の恥」という知人の言葉に傷ついたという、”その後”の残酷な周囲の様子に、やりきれない思いを抱かずにいられない。

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