2014年7月27日日曜日

◇КНИГА(書籍情報) 結婚はゴールではない

文学大国のロシアだが、ロシア文学界は歴史的に徹底して男性上位だと思ってきた。
特にドストエフスキーなんかのが描くヒロインは、ときに笑っちゃうほど都合のいい女たちである。
そんな中でも、こと詩の分野ではアフマートヴァやツヴェターエヴァが輝いていた。
その彼女らに先駆け、異彩を放った女性詩人、文学者がカロリーナ・パヴロヴァであった。
 
ハイソな家庭に育ち、英語の教師がクレア・クレアモント(バイロンの晩年の恋人、シェリー夫人の異母妹)、ポーランドの国民的詩人アダム・ミツキエヴィチからプロポーズされる(ヴォルコンスカヤのサロンで知り合い、ポーランド語を習っていた)、などという華麗な環境。
新進作家ニコライ・パヴロフと結婚し、自身が女主人となるサロンも持ち、リストから曲を献呈された。
が、家庭生活は破綻・・・という自身の生活も伺わせる、辛口恋愛小説『ふたつの生』
 
  ミツケーヴィチの元カノ、カロリーナ・パヴロワの代表作は障害を乗り越えて恋人とゴールインするハッピイエンドの甘い話かと思いきや、訳者によると激辛<反恋愛小説>。現実にありがちな話
>親はあっさり賛成、さしたる障害はなかったが、夫はたいしたことない男で、薄幸婚
 
辛口と言うより苦い。そして全編皮肉でいっぱい。
 
 
 

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