2016年9月10日土曜日

◆КНИГА『23000: 氷三部作3 (氷三部作 3)』

三部作の最終巻で妙に現代的になって流行りの固有名詞が氾濫する。日本のコギャルの描写など苦笑する。
あれっていう終わり方。というか、途中から方針変えたみたい。
狂信的なカルトの行く末ということで、仲間内以外には何してもいい、手段としか見ないという態度に、全く共感できず(まあアンチテーゼだろうけど)。
やっぱりソローキンだなあ(今までの作品よりエログロは抑え気味だったけど)、バラバノフみたいだなあ、という感想で、それでもこれまでの路線とは「心」とか言い出した点で違ってきているので、今後ソローキンは晩年のバラバノフみたいになるのかもしれない。

◆КНИГАウラジーミル・ソローキン「氷 氷三部作2」
◆КНИГАウラジーミル・ソローキン「ブロの道 氷三部作1」  

2016年8月18日木曜日

◆КНИГА『チェーホフさん、ごめんなさい』

Я очень рада, что получила эту книгу от Кодзима сан!

表紙の画像が出なくて残念。これまでの未知谷のチェーホフ・コレクションが並んでいて心ときめく。栗毛色の犬がじっとこちらを見つめる『カシタンカ』、ザトゥロフスカヤの描く墨絵のように力強く内省的な『ロスチャイルドのバイオリン』『モスクワのトルゥブナヤ広場』、何度も何度も読み返す『大学生』『たわむれ』『ワーニカ』、小さな三部作『すぐり』『恋について』『箱に入った男』 これらの刊行に、訳やプロデュースで関わってこられた児島宏子さんが、チェーホフさんに話しかけながら作品を語っていくエッセーだ。
現代ロシア文化の大家たち、ノルシュテイン、ソクーロフ、それに日本が誇るパペットアニメーションの巨匠川本喜八郎とのエピソードも惜しげなく語られる。ウンベルト・エーコまで登場する!
限りなく贅沢な小品群だ。
逸る気持ちを抑えながら、じっくり読もう。何度も何度も。
私もチェーホフさんに呼び掛けながら。

それにしても、チェーホフはいくら語っても語りつきない。 誰もが「私のチェーホフ」を語りたがる。

 
上段左から『ワーニカ』『カシタンカ』『チェーホフさん、ごめんなさい』『すぐり』
川本先生の『チェコ手紙&チェコ日記』
中段『大学生』
下段左から『たわむれ』『ロスチャイルドのバイオリン』『少年たち』『可愛い女』
 

2016年8月7日日曜日

◆КНИГА『マイダン革命はなぜ起こったか ロシアとEUのはざまで』

冒頭で著者が書いているように「私的ウクライナ論」で、当地の政治家や住民に会って話しました、というのが主なので、学術的な分析はない。なので、期待していたものとはかなり違った。
本にしなくてもブログやツイッターで充分なのでは?

「EURO2012の栄光と挫折」という章の見出しに、あれって栄光なの??と驚いたが、開催国でありながらグループリーグ敗退というウクライナ代表の話ではなかったのだね。
インフラ整備の話。(それもポーランドと比較してもUEFAや参加国の関係者を散々苛立たせるような遅延ぶりで「整備」と言ってよいのかと思うけれど。)
「今から考えてみると、ヨーロッパ最大のスポーツイベントを成功させ、欧州の一人前の国に認められたという感覚は、実は幻想で後にEU加盟への過大な期待を持たせただけではなかっただろうか。」云々。

まあ、無論今のウクライナでユーロが開催できるとは到底思えず、最初で最後の絶妙の機会だったということなのだろうけど、肝心のウクライナ代表の出来があれだったので、栄光とか成功とか、そういう言葉から程遠い気がしていた。

2016年8月2日火曜日

◆КИНОФИЛЬМ「フランコフォニア ルーヴルの記憶」

「フランコフォニア ルーヴルの記憶」《Франкофония》
アレクサンドル・ソクーロフ監督2015年ロシア・フランス・ドイツ・オランダ

10/29(土)~渋谷・ユーロスペース

「エルミタージュ幻想」は90分ワンカットで話題に。
エルミタージュは今まで4回訪ねているので、ある程度(あくまである程度!)場所の感覚は掴めたのだけど、ルーヴルは行ったことないからきっと新鮮な気持ちで観られるだろう。



ルーヴルにも猫いないのかな?

2016年7月21日木曜日

◆КНИГА『アゼルバイジャン 文明が交錯する「火の国」』


廣瀬先生はサッカーについての記事は「観てないだろ!」と大いに突っ込みなくなるような低レベルのことを書かれていたが、カフカースに関してはそうでもなかった。アゼルバイジャンについての本なので基本アゼルバイジャン側に立脚しているが極力アルメニアの主張も併記はしている。

2016年7月17日日曜日

◆КНИГА『軍事大国ロシア』

遅まきながらようやく入手したこの本なんですけど。




分厚くてめげそう。

2016年6月12日日曜日

◆КНИГА『8号室 コムナルカ住民図鑑』

画家のガガさんことゲオルギイ・コヴェンチュークが思いがけず昨年世を去っていた。芸術家の血筋としてはとても恵まれた血筋で、叩き上げの人の苦労はわからないかも、などと思っていたが、こちらはソ連時代のレニングラードの共同住宅住まいを綴ったエッセイで、これまで『ガガです、ガカの』で読んできた楽天主義満載の天才アーティストという印象とは違った面が見えてくる。
というのはコムナルカ(共同住宅)に暮らす人々の人生は、下町のお節介と人情みたいなハートウォーミングな話題に終始するほど甘くはない、いやむしろ予想以上に過酷だという読後感を持ったからだ。
何より、あの時代は過ぎ去り、当時同じコムナルカに住んでいた人々は殆どが故人である。作者のガガさんさえ、もういらっしゃらない。
『私のモスクワ 心の記録』だと当時の生活は古き良きソ連の回顧として語られるが、こちらはもっとずっと苦い味が残る。