2014年3月30日日曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)「ナチスと映画Ⅱ」にて

3/294/25 渋谷・シネマヴェーラで「ナチスと映画Ⅱ」で以下の作品の上映

①「僕の村は戦場だった」«Иваново детство»
アンドレイ・タルコフスキー1962年ソ連

★大変有名な作品なので説明は不要ですね。原作はウラジーミル・ボゴモーロフ作の短編小説『イワン』(邦訳は『新しいソビエトの文学2』勁草書房1967年刊に収録の『僕の村は戦場だった』中里迪弥訳)。イワン少年を演じたニコライ・ブルリャーエフは、当然ながら既に老境に足を踏み入れており、数年前にはニコライ二世役で映画に出演していた。
★「帝国オーケストラ」との二本立て。3/31(月)・4/3(木)

「道中の点検」«Проверка на дорогах»
アレクセイ・ゲルマン監督1971年ソ連

★ゲルマン監督最高傑作。渋い。タルコフスキーの「僕の村は戦場だった」でドイツ軍への憎悪を貫く少年イワンを演じたニコライ・ブルリャーエフがここでは無知蒙昧なまま卑怯な売国行為に陥る若者役。それ以上にロラン・ブィコフらおじさんたちに感動する。
★「迷走迷路」との二本立て。4/20(日)・4/23(水)

2014年1月4日土曜日

ドストエフスキーに愛ですの ◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)


「ドストエフスキーと愛に生きる」
«Женщина с пятью слонами»Die Frau mit den 5 Elefanten
ヴァディム・イェンドレイコВадим Ендрейко監督2009年スイス・ドイツ

222日(土)~ 渋谷アップリンク及びシネマート六本木

★ドストエフスキーの5つの長編小説『未成年』『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』をドイツ語に訳した84歳(当時)の翻訳家スヴェトラーナ・ガイヤーСветлана Гайерの半生を追ったドキュメンタリー。2011年山形国際ドキュメンタリー映画祭市民賞・優秀賞受賞作品(映画祭時のタイトルは5)。

★日本ではドストエフスキーの訳者は圧倒的に男性というイメージで、オタクと言ってよいほど傾倒している先生方が多いが、この方は見るからに素敵なおばあちゃま。ドイツとソ連の狭間で非常に苦労をされたことが偲ばれるけれど。

★キエフ生まれドイツ在住の彼女の家には窓に美しいレース(切り紙かもしれない)、ご本人の袖口にも白いレース飾りをつけているから、スラヴのおばあちゃまにありがちな無類のレース好きなのかもしれない。

2014年1月2日木曜日

◇КИНОФИЛЬМ(映画情報)6月にパラジャーノフ→7月12日からです

パラジャーノフ生誕90周年記念映画祭
6月 渋谷・ユーロスペース

「火の馬」«Тени забытых предков»
セルゲイ・パラジャーノフ監督ドヴジェンコ記念キエフスタジオ196497

★ウクライナのカルパチア地方の少数民族の伝承に基づく、べっとりエスニック映画。原作はミハイル・コチュビンスキーの『忘れられた祖先の影』。

 
「ざくろの色」«Цвет граната»1971

★アルメニアの伝説的詩人サヤト・ノヴァの生涯を描くパラジャーノフワールド全開映画(といっても、現在このタイトルで公開されているのは、パラジャーノフが撮った「サヤト・ノヴァ」«Саят-Нова»を師匠セルゲイ・ユトケーヴィチが再編集した短縮版(←そのままだとあまりにアヴァンギャルド過ぎてソ連当局の許可が降りなかった)なのだが)。一人6役?を演じたソフィコ・チアウレリはスターリン礼賛映画「ベルリン陥落」を監督したミハイル・チアウレリの娘にして「不思議惑星キン・ザ・ザ!」のゲオルギー・ダネリヤ監督のいとこ、ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督の元夫人。旧ソ連圏の非「体制寄り」映画によく出演しており、特にパラジャーノフの作品には欠かせない人物(「アシク・ケリブ」「スラム砦の伝説」にも出演)でした。
 

「スラム砦の伝説」«Легенда о Сурамской крепости»»1984

★グルジア民話に基づく秘話。

 
「アシク・ケリブ」«Ашик-Кериб»1988

★レールモントフ原作。アゼルバイジャンで撮影。ソフィコ・チアウレリは巫女さん役。

 

※「火の馬」がウクライナの少数民族、「ざくろの色」がアルメニア、「スラム砦の伝説」はグルジア、「アシク・ケリブ」はアゼルバイジャン、とそれぞれの土地の民俗色・香りを満載にした、眩暈を催すような作品ばかり。

※パラジャーノフ自身はグルジア生まれのアルメニア人。

※記念映画祭というからには、これまで日本で公開されたパラジャーノフ作品すべて(「ピロスマニのアラベスク」等)や関連ドキュメンタリー作品も含めて網羅的にやって欲しいのだが。もちろん可能なら未公開作品の本邦初公開ができるならそれに越したことはない。

7月1日補遺
※↑で「ピロスマニのアラベスク」や未公開作品の上映希望を述べていましたが、上映あることがわかりました!


「ピロスマニのアラベスク」«Арабески на тему Пиросмани»

グルジア記録映画スタジオ1986
★グルジアフィルムではなく、グルジア記録映画スタジオ製作。だけれど、とても記録映画とは言い難い、天才が天才に捧げるオマージュ。


「アンドリエーシ」«Андриеш»1954-1955
★羊飼いの若者の冒険譚。日本未公開作品(ゆえに未見)。ヤーコフ・バゼリャンとの共同監督作品。

「石の上の花」«Цветок на камне»1962
★炭坑に広まった宗教と若者たち。日本未公開作品(ゆえに未見)。チラシによれば「後の作品との類似性があまり見られない」とのこと。


 

◆ПЕРЕДАЧА 年始特別番組(ラジオ第二放送)

もうすぐソチ五輪 ~ロシアの冬を1000倍楽しむラジオ~
貝澤哉,小林麻耶,【ゲスト】クリコフ・マキシム,クセーニャ・レーシチェンコ
[ラジオ第2]
2014年1月3日(金) 午前0:20~午前1:20(60分)(再放送)
※本放送は1日に終わってしまいました。

新春!ロシア若者文化講座
櫻井孝昌,上坂すみれ,【司会】藤崎弘士
[ラジオ第2]
1月2日(木)午後5:00〜午後6:00(60分)
1月4日(土) 午前0:20~午前1:20(60分) (再放送)

学びの森「年末年始特集番組」も参照

2013年11月19日火曜日

◆ПЕРЕДАЧА(放送予定) 風の谷の電気屋と悲劇の森

NHK-BSプレミアム・プレミアムシネマ年内の放送予定

①11月22日(金)13:0014:21  NHK-BSプレミアム プレミアムシネマ
「明りを灯す人」«Свет-Аке»
アクタン・アリム=クバト(アブディカリコフ)監督2010年キルギス・フランス・ドイツ・イタリア・オランダ

20119月、渋谷・イメージフォーラムで公開上映された、アブディカリコフ改めアリム=クバトの映画。「ブランコ」「あの娘と自転車に乗って」「旅立ちの汽笛」では息子に主演させていたけれど、今度は自ら主演。村の電気工事を一手に引き受け、且つ村の電力を賄おうと谷間に風車を作っている、笑顔が可愛いおじさんはエコ志向の時代の先を行くが、決してほのぼのだけの映画ではない。

 

②12月2日(月)13:0016:30  NHK-BSプレミアム プレミアムシネマ
「戦争と平和」«Воина и мир»
キング・ヴィダー監督1956年アメリカ・イタリア

★映画史上最高額を投じての大作、あのセルゲイ・ボンダルチュクの7時間強の作品ではなく、オードリー・ヘプバーンやヘンリー・フォンダが出演する3時間半のアメリカ・イタリア合作映画。お暇なら。

 

③12月6日(金)23:451:48  NHK-BSプレミアム プレミアムシネマ
「カティンの森」«Катынь» «KATYŃ»
アンジェイ・ワイダ監督2007年ポーランド

★スモレンスク近郊のカチン付近で行われたソ連の手による虐殺(対象はポーランド指導層が主)で父を失ったワイダ監督が恐らくライフ・ワークとして手掛けたのだろう。もちろんソ連の行為への目は厳しく、ラストで延々と(淡々と)行われる処刑の様子はひたすらに重い。が、一方で原作には登場しない「よいロシア人将校」がいたりする。

2013年11月11日月曜日

◇ВЫСТАВКА(展覧会情報)バレエ・リュス展(仮称)がやってくる プリヴェト・プリヴェト・プリヴェト


2014618日(水)~91日(月) 乃木坂・国立新美術館

★レーピン(昨年~今春)→プーシキン美術館(フランス絵画だけど。今夏)・マンモス(今夏)→ロシア・アバンギャルド(今秋~冬)・シャガール(今秋~来年)ときたら、ロシアの美術、次はバレエ・リュスなのですよ。

★といっても、バレエ・リュスはロシアでは一切公演していないので、資料はロシア国内にはたいしてありません。今回の展覧会はオーストラリア国立美術館所蔵のもので、マティス、キリコ、バクスト作の衣装約140点他大規模な展示となる予定。




★バレエ・リュスと言えば、1998年の夏にセゾン美術館で開催された「ディアギレフのバレエ・リュス展 舞台美術の革命とパリの前衛芸術家たち」展は、歴史に残る素晴らしい展覧会だった。セゾン美術館の「白鳥の歌」的な企画で、「バラの精」や「牧神の午後」などのバレエの映像を観に何度も通ったのだった。ディアギレフもマシーンもリファールも、このときに知った。あれより凄い展覧会ができるのだろうか??

1116日の桑野塾でもバレエ・リュス企画があります。

2013年10月28日月曜日

◇КНИГА(書籍情報)二人のオリガ、二人のチェーホフ


『二人のオリガ・クニッペル チェーホフと「嵐」の時代』
牧原純著未知谷201310月刊1600(税別)ISBN978-4-89642-416-4
 
『ヒトラーが寵愛した銀幕の女王 寒い国から来た女優オリガ・チェーホワ』(アントニー・ビーヴァー著山崎博康訳白水社)も今年の5月に出ていますが、日本のチェーホフ書き、牧原氏も負けていない。やはり文豪アントン・チェーホフの甥のミハイル・チェーホフの最初の妻オリガ・クニッペル=チェーホヴァに注目しつつ、メイエルホリドの人生も絡めながら、チェーホフの次の世代のチェーホフ所縁の人々の運命を辿ります。